TOPゴキLOVE動画レポ🎬GKB48にガチ恋!?「THE・ゴキブリ展〜ときめきの、その先へ〜」@竜洋昆虫自然観察公園
👉天然成分なのにゴキブリ忌避率9割以上の商品とは

動画レポ🎬GKB48にガチ恋!?「THE・ゴキブリ展〜ときめきの、その先へ〜」@竜洋昆虫自然観察公園

投稿日:2021/3/2

国内外のゴキブリを展示する「THE・ゴキブリ展〜ときめきの、その先へ〜」が、静岡県の磐田市竜洋昆虫自然観察公園で開催中。(2021年2月6日(土)~5月30日(日))。

今年で4回目となる企画展には、国内外48種のゴキブリと彼らの天敵3種がラインアップ。
2020年に発表された新種も展示中とのことで、ゴキラボ編集部・和田はさっそく取材へGO。

同園の職員さんであり、企画展のプロデューサーを務める柳澤静磨さんに、注目のゴキブリや企画展の見どころなどをお伺いしてきました!(訪問日:2021年2月9日)
取材協力:磐田市竜洋昆虫自然観察公園

動画で一気見!「THE・ゴキブリ展〜ときめきの、その先へ〜」とは?

会場の風景
企画展の会場。ゴキブリの入った展示ケースがズラリと並びます。圧巻!

日本、いえ世界有数のゴキブリ展示数で開催中の「THE・ゴキブリ展〜ときめきの、その先へ〜」。国内外48種のゴキブリが一堂に会する、ゴキブリファン必見の企画展です。

「ゴキブリの知られざる魅力を発信したい」という、企画展のプロデューサー・柳澤静磨さんの、並々ならぬゴキブリ愛が感じられる展示内容になっています。

\案内してくれたのはこの方/

磐田市竜洋昆虫自然観察公園の職員・柳澤静磨さん
ゴキラボでもお馴染みの柳澤静磨さん。ゴキブリストとして、ゴキブリの普及活動をされていらっしゃいます!
ゴキブリに関する情報を発信されている柳澤さんのTwitterブログ「ゴキブリ屋敷」

過去に柳澤さんにご協力いただいた記事一覧はこちら

企画展の会場風景
日本からインドまで、多国籍なゴキブリが48種と天敵3種がお出迎え。

昨年から、さらにゴキLOVE度がアップしたという企画展。一体どんなゴキブリに出会えるのでしょうか!? ドキドキ・ワクワクが止まらない、ゴキラボ編集部・和田がレポートします!

\🎬動画で一気見!/

今年はラブレターで投票!?「GKB48」総選挙

昨年のゴキブリ展で人気投票7位に入賞したゴキブリの展示
会場のセンターに展示されているゴキブリたち。彼らは、2020年の「ゴキブリ展3」で行われた「GKB48総選挙」で上位7位にランクインした人気者です。

同展で展示されているゴキブリ、実は柳澤さんが飼育されている100種のなかから選ばれた先鋭メンバーなんです。
7人のゴキブリ愛好家さんに100種類のゴキブリのリストを渡し、50種選んでもらい、それを参考に選出したそう。
会場には、点数の高かったゴキブリと、柳澤さんがどうしても展示したかったゴキブリが展示されています。

柳澤静磨さん

7人の方が『このゴキブリがいたら、来場者が驚くんじゃないか』という種類を選んでくれたので、面白いラインアップになっているかと思います

昨年のゴキブリ展で人気投票7位に入賞したゴキブリを紹介するパネル展示
2020年の「GKB48総選挙」で7位以内に入賞したゴキブリの紹介パネル。

難関を勝ち抜いた選抜メンバーは、ゴキブリ46種と彼らの天敵2種。
そして、そのなかから人気のゴキブリ7種類を選ぶのが、来場者さん参加型企画「GKB48総選挙」です。

第四回GKB48総選挙にエントリーしたゴキブリたち

アカボシルリゴキブリ スズキゴキブリ
アミメヒラタゴキブリ チャバネゴキブリ
アルゼンチンゴキブリ トルキスタンゴキブリ
イエゴキブリ バサリスサシガメゴキブリ
ウスオビルリゴキブリ バットローチ
ウルシゴキブリ ヒメマルゴキブリ
エジプトサバクゴキブリ ピンクポーセリンローチ
オオゴキブリ ブラベルス・ギガンテウス
オルナータベルベットローチ ブラベルスクラニファーブラックウィング
オレンジスポットドミノローチ インシグニス(マダガスカルゴキブリ)
オレンジヘッドビュレットローチ オブロンゴナタ(マダガスカルゴキブリ)
キカイホラアナゴキブリ ポルテントーサ(マダガスカルゴキブリ)
キョウトゴキブリ ラエビガータ(マダガスカルゴキブリ)
クエスチョンマークローチ マルゴキブリ
グリーンバナナローチ ムツボシテンダマゴキブリ
クロゴキブリ モリゴキブリモドキ
グロウスポットローチ モリチャバネゴキブリ
コノハゴキブリ ヤエヤママダラゴキブリ
コモリゴキブリ ヨウランゴキブリ
コワモンゴキブリ ヨツボシゴキブリ
サースレイサバクゴキブリ ルリゴキブリ
サツマゴキブリ ワモンゴキブリ
シナゴキブリ エメラルドゴキブリバチ
ジャイアントウッドローチ アシダカグモ
アカボシルリゴキブリ スズキゴキブリ
アミメヒラタゴキブリ チャバネゴキブリ
アルゼンチンゴキブリ トルキスタンゴキブリ
イエゴキブリ バサリスサシガメゴキブリ
ウスオビルリゴキブリ バットローチ
ウルシゴキブリ ヒメマルゴキブリ
エジプトサバクゴキブリ ピンクポーセリンローチ
オオゴキブリ ブラベルス・ギガンテウス
オルナータベルベットローチ ブラベルスクラニファーブラックウィング
オレンジスポットドミノローチ インシグニス
(マダガスカルゴキブリ)
オレンジヘッドビュレットローチ オブロンゴナタ
(マダガスカルゴキブリ)
キカイホラアナゴキブリ ポルテントーサ
(マダガスカルゴキブリ)
キョウトゴキブリ ラエビガータ
(マダガスカルゴキブリ)
クエスチョンマークローチ マルゴキブリ
グリーンバナナローチ ムツボシテンダマゴキブリ
クロゴキブリ モリゴキブリモドキ
グロウスポットローチ モリチャバネゴキブリ
コノハゴキブリ ヤエヤママダラゴキブリ
コモリゴキブリ ヨウランゴキブリ
コワモンゴキブリ ヨツボシゴキブリ
サースレイサバクゴキブリ ルリゴキブリ
サツマゴキブリ ワモンゴキブリ
シナゴキブリ エメラルドゴキブリバチ
ジャイアントウッドローチ アシダカグモ

柳澤静磨さん

昨年までは、来場した方に鉛筆で好きなゴキブリを記載して投票箱に入れてもらうというシステムでした。しかし今年は感染防止のため、投票用紙は靴箱をモチーフにした投票箱に入れる方式に変更したんです。書く手間がないので、投票率も上がるかなと思っています

GKB総選挙の投票箱と柳澤静磨さん
靴箱のような投票箱と柳澤さん。

すごくステキですね。これは柳澤さんのアイデアですか?

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

職員の北野さんの発案です。投票用紙を靴箱に入れるのって面白いよね。という一言から始まったんです。僕たちだと作れないなぁと思っていたのですが、美大出身の園芸担当さんが制作を担当してくださり、実現することができました

職員さんの連携プレーでできた投票箱なんですね。好きになったゴキブリor天敵にラブレターを送るというストーリーがあるのが、キュンとしますね。

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

来場者さんの反応も良くて、これにして良かったなと思っています

ときめきの、その先へ!マニア必見のパネル&標本の展示

開催にあたってのご挨拶のパネル展示
開催にあたってのご挨拶。

投票箱以外にも、今年はいろいろとスケールアップしているゴキブリ展。
どうやら、タイトルの“ときめきの、その先へ”が、それを表しているとのことで……。

柳澤静磨さん

第1回のタイトルは『キモイキモイも、好きのうち』、第2回は『ドキドキゾクゾク、ココロときめく その感情恋かもよ?』、第3回は『高鳴る鼓動は、もはや愛』でした。4回目の今年は『ときめきの、その先へ』ということで、それをさらに超えてゴキブリのことを知ってもらえたらという思いで、今まで通りのものプラス、今までできなかったことを追加しています

例えばどんなことでしょうか。

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

ゴキブリの標本と、パネルの展示の数を増やしています。去年までは時間も人手も足りなかったので、そこまで手が回らなかったんです。でも今回は、お手伝いしてくれる方がいたのと、一年かけてゴキブリ展の準備ができたというのが大きいですね。2階には、ゴキブリの化石や琥珀なども展示しているんです

ゴキブリによる木の分解を紹介するパネル展示
今年はパネルも充実しています!

さまざまなゴキブリの卵を紹介するパネル展示
ゴキブリの卵鞘のパネル。これだけの種類を一覧で見られるのは、ゴキブリを飼育している磐田市竜洋昆虫自然観察公園ならでは!

日本のゴキブリの標本
日本のゴキブリの標本。

柳澤静磨さん

毎年開催することで、ゴキブリの普及活動をしていくのが、この企画展の目指すところ。いい流れだなと思っています

生体展示中心から、それを超えて読む楽しみが増えたということでしょうか。

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

そうですね。見る展示を超えて、知識をより深めてもらえる内容になっているかと思います。生体展示を見て楽しむのもいいですし、パネルを読んでより楽しむというのもいいですね

ワモンゴキブリとコワモンゴキブリの違いを紹介するパネル展示
ワモンゴキブリとコワモンゴキブリの違いもパネルになるとわかりやすい!

標本は新しく制作されたんですか?

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

所持はしていたんですが、展示できるようにはしてなかったんです。海外の標本なので、日本名がない種類もいたりして。
今までは、生きたゴキブリをより見やすくすることに力を注いでいたんですが、いろんな方に協力してもらうようになって、パネルにかける時間ができたのが良かったですね

海外のゴキブリの標本
海外のゴキブリの標本。

展示方法もレベルアップ!

隅っこに隠れがちなゴキブリは、常時見えるように展示するのも一苦労なんです。毎年いろいろと工夫をされていましたが、今年はどうでしょうか。

昨年は、たくさん個体を入れることで、ゴキブリが見えるようにしていると仰ってましたね

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

力技で見えるようにしていましたね笑。今年は、1匹1匹がキレイに見えるように工夫しています。というのも、脱走された場合に野外で繁殖されてしまっては困るので、今回は個体数を少なくしているんですよ。さらに、オスしか入れてない種類も多いんです

えっ!?

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

絶対に逃げない種類はメスも入れていますが、そうじゃない種類はオスだけにしています。アルゼンチンゴキブリもオスのみです。万が一、脱走してしまっても、逃げた個体の寿命でつきるようにしています

アルゼンチンゴキブリの展示ケース
オスだけの「アルゼンチンゴキブリ」の展示ケース。かわいいお尻がこんにちは!

柳澤静磨さん

オスとメスで形が違う種類は、両方とも入れていますが、形がほぼ変わらない種類はオスしか入れていないですね。あと、サイズが小さいのはケースを二重にしています

気遣いが年々すごくなっていきますね

ゴキラボ・和田

ゴキブリスト・柳澤さんの推しゴキブリ7選

ここでは、柳澤さんの推しゴキブリをご紹介。ゴキブリストが選ぶ、2021年注目のゴキブリとは!?

アカボシルリゴキブリ

アルゼンチンゴキブリの展示ケース
「アカボシルリゴキブリ」の展示。

アイドル名 アカボシルリゴキブリ
学名 Eucorydia tokaraensis
大きさ およそ12~13mm
出身 鹿児島県(家島、悪石島、奄美大島、徳之島)

ウスオビルリゴキブリ

アルゼンチンゴキブリの展示ケース
「ウスオビルリゴキブリ」の展示。

アイドル名 ウスオビルリゴキブリ
学名 Eucorydia donanensis
大きさ およそ12.5~14.5mm
出身 沖縄県(与那国島)

柳澤静磨さん

やはり今回の目玉は、2020年11月に新種として発表した『アカボシルリゴキブリ』と『ウスオビルリゴキブリ』ですね。
両方とも成虫で展示しているので、キレイな姿を見てもらえるかと思います。樹皮を展示ケースの手前に置くことで、ほぼいつでも見えるようになっています。
『アカボシルリゴキブリ』は、皆さんにキレイと好評なので、得票数もかなり期待しています

「GKB48総選挙」の1位候補でしょうか

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

1位とまではいいませんが、神7入りはしてもいいんじゃないかなと予想しています。『ウスオビルリゴキブリ』は少し地味なので、ちょっと票は伸び悩むかなと思っています。『ルリゴキブリ』は3種類出ているので、票がわれるかもしれませんね

それは悩みそうですね

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

真っ青なゴキブリが好きな人は『ルリゴキブリ』、派手なゴキブリが好きな人は『アカボシルリゴキブリ』、マニアックな人は『ウスオビルリゴキブリ』かなと笑。僕はちなみに『ウスオビルリゴキブリ』に入れました

さすが、ゴキブリスト!笑

ゴキラボ・和田

オレンジスポットドミノローチ

オレンジスポットドミノローチの展示ケース
「オレンジスポットドミノローチ」の展示。

アイドル名 オレンジスポットドミノローチ
学名 Therea regularis
大きさ およそ15mm~25mm
出身 インド

柳澤静磨さん

オレンジスポットドミノローチも強敵です。第2回のセンターを勝ちとった『ドミノローチ』のオレンジバージョンになるんですが、かわいげがあって、丸っこいので、かなり人気になるんじゃないかと思っていますね。子どもたちが『かわいい!』といっているのを何回も見たので、票も集まると予想しています

斑紋の色が違うのって、理由があるんですか?

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

わかんないですね笑。おそらく、外敵から身を守るためなのかなって勝手に思っていますけど、彼らにしかわからないですね。『ドミノローチ』とは、同じ属なんですけど。『クエスチョンマークローチ』がなぜあんな模様をしているのかもわからないですからね笑

まだまだ謎が多いですね。ゴキブリは奥が深い!

ゴキラボ・和田

キカイホラアナゴキブリ

キカイホラアナゴキブリの展示ケース
キカイホラアナゴキブリの展示ケース

キカイホラアナゴキブリの展示。

アイドル名 キカイホラアナゴキブリ
学名 Nocticola uenoi kikaiensis
大きさ およそ4~4.5mm
出身 鹿児島県(喜界島)

柳澤静磨さん

大きさ4~4.5mmしかない『キカイホラアナゴキブリ』は、今年から展示ケースをグッとシンプルにしました。昨年は、アリの巣をモチーフにした展示ケースだったんですが、見えづらいというお声があったため、ケースを小さくしました。
飾りっ気みたいなのはないですが、パッと見でわかるのが、一番いいですよね

展示ケースも進化しているんですね

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

新しい展示ケースの方が、彼らも体調が良さそうです。僕たちもケースの管理が楽になったので、一石二鳥ですね。以前のケースは、オシャレだったんですが、こちらの方がキレイな状態で見てもらえるので、結果的に良かったなと思います

昨年のキカイホラアナゴキブリの展示ケース
昨年のキカイホラアナゴキブリの展示ケース。

ヤエヤママダラゴキブリ

ヤエヤママダラゴキブリの展示ケース
ヤエヤママダラゴキブリ。

アイドル名 ヤエヤママダラゴキブリ
学名 Rhabdoblatta yayeyamana
大きさ およそ35~48mm
出身 八重山列島

柳澤静磨さん

この『ヤエヤママダラゴキブリ』は、企画展の前日に羽化した子になります。まさか成虫が出てくると思わなかったので、展示ケースが間に合ってないんですよ。
日本最大級のゴキブリで、大きさは35~48mmとクロゴキブリの約1.5倍。日中は木のウロなどに隠れていて、夜になると出てきます。なんと、幼虫は水に潜水することができるんですよ。
現在は、水辺を再現した幼虫用のケースで展示していますが、今後は成虫用の展示ケースを用意する予定です。寿命が長いので、期間中は見てもらえるかなと思います

ぜひこの機会にという感じですね!

ゴキラボ・和田

ヤエヤマヤマガニは標本で登場

ヤエヤマヤマガニの展示ケース
ヤエヤマヤマガニ。

ヤエヤママダラゴキブリを食べる「ヤエヤマヤマガニ」。昨年は、元気に展示されていたのですが、今年は標本で再会。現在は沖縄県希少野生動植物保護条例に指定されたため、もう採取することができないそうです。

モリゴキブリモドキ

モリゴキブリモドキの展示ケース
モリゴキブリモドキ。

アイドル名 モリゴキブリモドキ
学名 Blattella biligata
大きさ およそ14~17mm
出身 西表島、波照間島

柳澤静磨さん

『モリゴキブリモドキ』は、モドキという名前ですが、一応チャバネ科のゴキブリになります。胸背面に模様がなく、モリゴキブリの仲間に見えますが、モリゴキブリではないので『モリゴキブリモドキ』なんですね。幼虫の時期は本当にチャバネゴキブリにそっくり。日本産のゴキブリのなかで、モドキってついているのは、この子だけですね

似ているからモドキ……。名前がそのまま過ぎて面白い笑

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

これもすごく珍しい種類なんです。去年、近畿大学の方が採取されてきたのを見て、ゴキブリ好きの間で『モリゴキブリモドキ』かもと話題になりました。ただ、オスが採集できてなかったみたいで、ちゃんと調べられなかったそうなんです

そんな事があったんですね

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

そのあとすぐに、僕が波照間島(はてるまじま)に採集へ行ったら、結構な数を持ち帰ることができたんです。最初に採集された方の情報をいただきながらだったので、1日で見つけることができました。そして採集した個体を、飼育、解剖をした結果『モリゴキブリモドキ』と同定することができました。
そして2020年12月に、発見者である近畿大学の方と一緒に報文として発表したんです。
それまでは、西表島で1匹しか見つかっていなかったんですが、実際は波照間島には、たくさん生息していたんですよ。
僕は好きなゴキブリなんですが、地味なので、あまり注目はされていないのかなと笑

モリゴキブリモドキのパネル展示
2020年12月に発表された「モリゴキブリモドキの再発見」のパネル。

でも、見る人が見たら、こいつはスゴいぞと

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

先日、途中開票をしてみたんですが、意外と投票されていたんです。わかってくれている人がいるのかなと思って、ちょっと嬉しくなっています笑

ヨロイモグラゴキブリ

ヨロイモグラゴキブリの展示ケース
お母さんヨロイモグラゴキブリ。

アイドル名 ヨロイモグラゴキブリ
学名 Macropanesthia rhinoceros
大きさ およそ60~80mm
出身 オーストラリア

ヨロイモグラゴキブリの親子
手前が幼虫のヨロイモグラゴキブリ。大きいですね!

柳澤静磨さん

『ヨロイモグラゴキブリ』は、巣穴を再現した展示ケースに入れています。でも奥に入ってしまうと見えないことがあるので、隣に通常の展示ケースも置いてあるんです。こちらには、メスの成虫と2019年に生まれた幼虫たちがいます

ヨロイモグラゴキブリは巣穴を再現した展示ケース
お父さんヨロイモグラゴキブリは巣穴を再現した展示ケースに出張中。

1年以上経っても、まだ幼虫なんですね。(もしかして、去年のあの子!?)

ゴキラボ・和田

2020年の「ゴキブリ展3」で撮影したヨロイモグラゴキブリの親子
2020年の「ゴキブリ展3」で撮影したヨロイモグラゴキブリの親子。お母さんの下にいるのが幼虫です。

柳澤静磨さん

成虫になるまでに2、3年かかりますね。幼虫といっても、すでに他のゴキブリの成虫と同じぐらいのサイズですね。
初代王者なので、展示スペースは広めにしてあげないと笑

ゴキラボ編集部が選ぶ!推しゴキブリ10選

ここからは。ゴキラボ編集部の和田が選ぶ2021年注目のゴキブリをご紹介!

ニジイロゴキブリ(エメラルドジュエルローチ)

ニジイロゴキブリ(エメラルドジュエルローチ)の展示ケース
ニジイロゴキブリ(エメラルドジュエルローチ)。

アイドル名 ニジイロゴキブリ(エメラルドジュエルローチ)
学名 Pseudoglomeris magnifica
大きさ およそ21~25mm
出身 中国、ベトナム

第3回総選挙で1位になった「ニジイロゴキブリ」は、全身ニジイロ。メスの成虫はダンゴムシのようなフォルムをしているので、一見ゴキブリとは思わないはず。宝石のような輝きを放つ、唯一無二のゴキブリ!

コモリゴキブリ

コモリゴキブリの展示ケース
コモリゴキブリ。

アイドル名 コモリゴキブリ
学名 Thorax porcellana
大きさ およそ15~25mm
出身 インド、スリランカ

なんと、子育てをするゴキブリ! お母さんゴキブリは、孵化したての初齢幼虫(しょれい)を翅の下で育てます。赤ちゃんは、お母さんの分泌液を飲んで成長するのです。今回はオスのみの展示だったため、その様子を見ることができませんでしたが、いつの日かこの目で見たいです。

クロゴキブリ

クロゴキブリの展示ケース
クロゴキブリ。

アイドル名 クロゴキブリ
学名 Periplaneta fuliginosa
大きさ およそ25~30mm
出身 日本、ユーラシア大陸、台湾、ブラジル、アメリカなど

あれ? どこかで見たことがあるなぁ。と思った方も多いはず。そう! 家で遭遇する率が高い「クロゴキブリ」です。こうして見れば、立派な昆虫に見えなくもない!?
ゴキラボ編集部には、一番馴染みのあるゴキブリということで、じっくりと観察してしまいました。

モリチャバネゴキブリ

モリチャバネゴキブリの展示ケース
モリチャバネゴキブリ。

アイドル名 モリチャバネゴキブリ
学名 Blattella nipponica
大きさ およそ10~15mm
出身 本州から奄美大島まで、国外では朝鮮半島

森の妖精こと(ゴキラボ編集部命名)「モリチャバネゴキブリ」。彼らは、広葉樹のある森林で暮らしています。分布エリアが広く、ゴキブリ採取に挑戦しやすい種類です。ゴキラボ編集部も採集させてもらったことがあります。

アミメヒラタゴキブリ

アミメヒラタゴキブリの展示ケース
アミメヒラタゴキブリ。

アイドル名 アミメヒラタゴキブリ
学名 Balta notulata
大きさ およそ10~15mm
出身 おもに奄美群島以南、国外では東南アジア、太平洋の島々

ゴキラボ編集部が一目惚れしたゴキブリ。左下の成虫は、繊細な模様が入ったからだがとっても美しいです。右上の幼虫にいたっては、模様が”おじさん”に見えませんか笑
思わず見惚れるゴキブリさん。ぜひ間近で観察してみてください!

オルナータベルベットローチ

オルナータベルベットローチの展示ケース
オルナータベルベットローチ。

アイドル名 オルナータベルベットローチ
学名 Deropeltis paulinoi
大きさ およそ30~50mm
出身 南アフリカ、モザンピーク、ジンバブエ、ナミビア、アンゴラ、コンゴ

ゴキブリといえば、独特のテカリが苦手という方も多いはず。でも、見てください! このゴキブリ、マットなんです。高級感のあるゴキブリ、カッコよすぎますよね。
大人の魅力あふれる彼らにメロメロです❤︎

エジプトサバクゴキブリ

エジプトサバクゴキブリの展示ケース
エジプトサバクゴキブリ。

アイドル名 エジプトサバクゴキブリ
学名 Polyphaga aegyptica
大きさ オス およそ12~15mm、メス 24mm
出身 トルクメニスタン、イラン、イラク、シリア、エジプト、リビア、サウジアラビア

ゴキブリ好きの間でも人気のゴキブリ。メスは、コロンとしたフォルムがなんともキュート。一方、オスはシュッと生えた翅のカッコいいですね。
ゴキブリには珍しく、乾燥した場所がお好みのゴキブリなのでした。

トルキスタンゴキブリ(チュウトウゴキブリ)

トルキスタンゴキブリ(チュウトウゴキブリ)の展示ケース
トルキスタンゴキブリ(チュウトウゴキブリ)。貨物列車の缶と一緒に展示されていました。オシャレ!

アイドル名 トルキスタンゴキブリ(チュウトウゴキブリ)
学名 Shelfordella lateralis
大きさ およそ20~30mm
出身 本州、国外では中央アジア~アジア西部や北アメリカを中心に全世界

トルキスタンゴキブリ(チュウトウゴキブリ)の脱皮シーン
トルキスタンゴキブリ(チュウトウゴキブリ)の脱皮。真っ白ですね!

お馴染み『トルキスタンゴキブリ』は、なんと脱皮中の個体と遭遇!
見ると幸せになれると噂されている「白いゴキブリ」の正体は、実は脱皮中のゴキブリなんです。普段はなかなか出会えない姿に、ゴキラボ編集部も感激しました!

コノハゴキブリ

コノハゴキブリの展示ケース
コノハゴキブリ。

アイドル名 コノハゴキブリ
学名 Pseudophoraspis nebulosa
大きさ およそ25~40mm
出身 マレーシア、インドネシア

朽ち木のスキマにいるのが「コノハゴキブリ」。ぱっと見ただけだと、本当に落ち葉にしか見えません。幼虫は、もっと落ち葉にそっくりなんだそうですよ。

ブラベルス・ギガンテウス

ブラベルス・ギガンテウスの展示ケース
ブラベルス・ギガンテウス。

アイドル名 ブラベルス・ギガンテウス
学名 Blaberus giganteus
大きさ およそ73~85mm
出身 メキシコ、グアテマラ、パナマ、コロンビア、ベネズエラ、トリニダードトバゴ共和国、ガイアナ、スリナム、フレンチギアナ

前胸部に笑った絵文字「(‘ω‘ )」をもつ、大きなゴキブリ。そのサイズは、なんと73~85mmもあります。
実はこの子、昨年も参加していた同じ個体。またゴキブリ展で再会できると思っていなかったので、感慨深いものがありました。来年もまた会いたいな!

新種記載から太古のゴキブリまで!

2階のゴキブリ展示
2階のジオラマコーナーがリニューアルして、ゴキブリの展示に変わっていました!

企画展のラストを飾るのは、2階の展示コーナー。
柳澤さんら研究チームが、2020年11月に発表された新種記載や、ゴキブリの琥珀や化石などが展示されています。

柳澤静磨さん

2階にはゴキブリの化石と琥珀(こはく)、あと新種記載を展示しています

すごいですね!化石と琥珀は企画展のために揃えられたんですか?

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

コレクションとして持っていたものと、去年購入したものがあります。
琥珀は最近ハマっていて、集めているんです

ゴキブリの琥珀
ゴキブリが中に閉じ込められた琥珀。琥珀とは、樹脂の化石のことで、宝石としても知られています。

ゴキブリの琥珀
どうですか? ゴキブリ、見えますか?

Twitterでも紹介されていましたよね。すっごくキレイ!
琥珀や化石になったものは、どこでゴキブリだと判断できるんですか?

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

琥珀はよく見ると、足とか翅、顔がゴキブリなんですよ。
ゴキブリは化石でも産出される昆虫なんだよということを、知ってもらいたくて展示しています。

ゴキブリの化石
産卵管のあるゴキブリの化石。ジュラ紀中期のものです。

さすが、生きた化石といわれているゴキブリですね!

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

あとは、漢方として使われている「䗪虫(しゃちゅう)」です。原材料には、シナゴキブリとサツマゴキブリ、Polyphaga属のプランキーサバクゴキブリの3種が使われているそうです

ゴキブリの漢方薬・䗪虫(しゃちゅう)
特別に展示ケースから出していただいた「䗪虫」。

柳澤静磨さん

以前、横浜中華街の漢方薬局の店員さんに『ゴキブリの研究をしているから、『䗪虫』の粉々になっていないものが欲しい』と伝えたら、『なんでゴキブリの研究をしている人が『䗪虫』を欲しいの?』って聞かれたんです。
『䗪虫』がゴキブリだってことを知らなかったみたいで、驚いていましたよ笑。
その後、アース製薬の有吉立さんと講演会をご一緒したときに、『䗪虫』を持っていらっしゃったんで、どこで購入したのかを聞いて、ようやく手に入れることができました

シナゴキブリとサツマゴキブリは生体の展示があります。

シナゴキブリの展示ケース
隠れがちなシナゴキブリ。

サツマゴキブリの展示ケース
小判型のサツマゴキブリ。

実際、食べてみたんですか?

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

いや、僕ゴキブリアレルギーなんで

そうでした!

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

匂い、すごいですよ。僕はもう嗅ぎたくない笑。釣りのエサに使う『さなぎ粉』の匂いに似ているかと思います。和田さん、嗅いでみますか?

「䗪虫」を差し出す柳澤さん
「䗪虫」の匂いを嗅がせてもらいました。

私は結構大丈夫ですね。実家が漁師だからかもしれないです笑

ゴキラボ・和田

2年半の研究結果!新種発見の展示

「アカボシルリゴキブリ」の標本
「アカボシルリゴキブリ」の標本。

「ウスオビルリゴキブリ」の標本
「ウスオビルリゴキブリ」の標本。

こちらは『アカボシルリゴキブリ』と『ウスオビルリゴキブリ』の新種記載になりますね。

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

プレスリリースと論文の1ページ目を展示しています。よく、新種に自分の名前を付けないの?と聞かれるので、名前の付け方についても紹介しています

アカボシルリゴキブリとウスオビルリゴキブリについて書かれたパネル
アカボシルリゴキブリとウスオビルリゴキブリについて書かれたパネル。

新種を発表するのは、すごく大変だとお伺いしています。実際、どうでしたか?

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

研究をはじめるにあたり、まずは『ルリゴキブリ』の論文を読むことからだよと教えてもらったんですが、読むもなにも、英語じゃないかと笑。
初めての論文だったというのもありますし、英語で記載するのが本当に大変でしたね。
短報(たんぽう)のような感じで、こういうのが採取できましたよというのは、何回も出していたのですが、それとは違うので難しかったですね。ご指導いただいた教授や准教授の方には本当にお世話になりました

新種発見のきっかけになったエピソードが書かれたパネル
新種発見のきっかけになったエピソードなども紹介。

世界のルリゴキブリの標本
世界のルリゴキブリの標本。貴重です!

いろんなニュースに取り上げられていて、すごいなと思いました。

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

35年ぶりというのも、インパクトが大きかったと思います。ゴキブリで、新種、しかも日本産。並んでいる言葉もインパクトが強い。
また、日本産のゴキブリが57種類もいたことにも、驚かれていました笑。どこにいたの?みたいな

ゴキブリ好きは知っていても、一般的にはあまり知られていないですもんね

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

論文を発表するときに、ご指導いただいた法政大学の島野先生とも、多少話題にはなるんじゃないかと話していたんです。
でもまさかここまでになるとは予想していなかったです。発表当日は、園の電話が鳴り止まなくなっちゃって。その日に取材があるなど、かなりの反響をいただきました。
これはゴキブリだからこそだと思っています。ゴキブリは注目されやすい昆虫なんだなと思いました

柳澤さんとゴキブリ談義
柳澤さんのゴキブリのお話はいつ聞いても興味深くて面白いです。

私も、こんなに嬉しいニュースに立ち会えるとは思ってなかったので、本当に驚きました

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

最後に日本産ゴキブリの新種を記載したのは、昆虫学者の朝比奈 正二郎先生だったので、その後に記載ができたというのも、すごい僕は嬉しい限りですね。
しかも『ルリゴキブリ』という、日本産ゴキブリのなかでも、派手な種類なので。
昆虫は研究し尽くされている種類もいるので、新しい発見が難しい仲間もいます。ただ、まだまだ記載されていない種がたくさんいる仲間もいます。
誰も注目してなかったゴキブリで、これだけ話題になったりするのも、ゴキブリの面白いところだと思いますね

昨年、今年とゴキブリイヤーにしたいですね!

ゴキラボ・和田

柳澤静磨さん

今年は、『クチキゴキブリ』の翅の食い合い※1や、冬虫夏草※2も発表されていますし、あと2、3個なにか動きがあれば、もっと盛り上がりそうですね!

※1「生物初、オスとメスが互いに食べ合う行動をゴキブリで発見〜クチキゴキブリの翅の食い合い」(九州大学大学院システム生命科学府 一貫制博士課程4年 大崎遥花,九州大学大学院理学研究院 粕谷英一 准教授)
※2「日本初のゴキブリに寄生する冬虫夏草の新種~世界的にも珍しいゴキブリタケはシロアリ寄生菌から進化した!?~」(アラウージョJPM*(琉球大学・熱帯生物圏研究センター 外国人研究員,フロリダ大学),盛口満(沖縄大学 教授),内山茂(日本冬虫夏草の会),金城典子(日本冬虫夏草の会),松浦優*(琉球大学・熱帯生物圏研究センター 助教)*=責任著者)

まとめ

投票箱にラブレター型の投票用紙を入れる様子
推しゴキブリの靴箱にラブレターを投函。

今年で4回目の開催となる「THE・ゴキブリ展〜ときめきの、その先へ〜」。
世界一嫌われ者の昆虫・ゴキブリですが、実は見た目も習性も多種多様な生き物だということを、再確認できる企画展です。

この記事を読んで、ちょっとでも興味がわいたら、ぜひ足を運んでみてください。
きっと、心ときめくゴキブリに出会えるはずです。
その時は、そっとラブレターを靴箱にしのばせてきてくださいね。

【追記】第四回GKB48センター争奪総選挙の結果発表!

2021GKB48結果

2021年5月30日(日)まで開催された「THE・ゴキブリ展〜ときめきの、その先へ〜」。
6月1日に、「第四回GKB48総選挙」の結果が発表されました。なんと今回の投票数は、13,561票と過去最高数を記録したそうです。

1位(センター)に輝いたのは「グリーンバナナローチ」(1,902票)!苦節を重ね、ついについにセンターへと上り詰めました。

そして、堂々の2位は「エメラルドゴキブリバチ」(1,604票)。捕食組の「エメラルドゴキブリバチ」に票が集まったのは、やはりあのキラキラの体と狩りのインパクトが強かったのでしょう。

また、かわいい!と人気があった「オレンジスポットドミノローチ」(1,340票)は3位にランクイン。次回はセンターを狙えるか!?
新種の「アカボシルリゴキブリ」(411票)は8位、と「ウスオビルリゴキブリ」(137票)27位と、通好みのゴキブリらしい結果に。
ちなみにゴキラボ編集部が推した「エジプトサバクゴキブリ」(48票)は、47位でした。

ランキングの詳細はコチラでチェック(2021年6月1日公表)
第四回GKB48センター争奪総選挙結果発表!(竜洋昆虫自然観察公園@_ryukon)

開催概要

開催期間 2021年2月6日(土)~2021年5月30日(日)
施設名 磐田市竜洋昆虫自然観察公園
開園時間 9:00~17:00(最終入園16:30)
休園日 木曜日、年末(12/28~12/31)※祝日、正月(1/1~5)、GW(4/29~5/5)、夏休み(7/21~8/31)は全日開園
入園料 個人/330円(団体220円※20名様以上)、障がい者/110円、小・中学生/110円(団体50円)、障がい者/50円、幼児/無料
SNS TwitterFacebook
住所 静岡県磐田市大中瀬320‐1
電話番号 0538-66-9900
アクセス 土日のみ、磐田駅・豊田町駅から無料のシャトルバス運行中


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