今回は、「ゴキブリを見たくない!」という人のために、「姿を見ないでやっつける」ためのアイテムをご紹介しよう。具体的には、ホウ酸団子や“コンバット”、“ブラックキャップ”に代表されるベイト剤(毒餌剤)、“ごきぶりホイホイ”で有名な捕獲器、“バルサン”などで知られるくん煙剤、そして、ハーブなどを利用した忌避剤と盛りだくさんじゃ。

ゴキブリ対策アイテムは2種類
巷にはさまざまなゴキブリ対策アイテムがありますが、「遭遇したときにやっつけるタイプ」と「姿を見ないでやっつけるタイプ」と使用用途により大きくふたつにわけられます。
遭遇したときにやっつける
- スプレー式駆除剤
- 丸めた新聞紙
- スリッパ
- 掃除機
- 熱湯…
姿をみないでやっつける
- ベイト剤(毒餌剤)
- 捕獲器
- 忌避剤
- くん煙剤
今回は、「姿をみないでやっつける」タイプである、
ベイト剤(毒餌剤)
例:ホウ酸団子、“コンバット”、“ブラックキャップ”
捕獲器
例:“ごきぶりホイホイ”
忌避剤
例:ハーブ成分、超音波
くん煙剤
例:“バルサン”、“アースジェット”
について詳しくみていきましょう。
効果 | 設置 | 効果の持続 | 即効性 | 安全性 | |
---|---|---|---|---|---|
ベイト剤 | ![]() 殺虫効果が高い |
![]() 場所に応じた製品がある |
![]() 半年~1年前後 |
![]() 薬剤によっては即日 |
![]() 殺虫成分使用 |
捕獲器 | ![]() 殺虫効果は薄い |
![]() 狭い隙間に置ける |
![]() 1カ月前後 |
![]() すぐにかかることもある |
![]() 殺虫成分不使用 |
忌避剤 | ![]() 寄せ付けない |
![]() 場所に応じた製品がある |
![]() わからない |
![]() わからない |
![]() 殺虫成分不使用 |
くん煙剤 | ![]() 一網打尽にできる |
![]() 事前準備が必要 |
![]() わからない |
![]() わからない |
![]() 殺虫成分使用 |
ベイト剤 | 捕獲器 | 忌避剤 | くん煙剤 | |
---|---|---|---|---|
効果 | ![]() 殺虫効果が高い |
![]() 殺虫効果は薄い |
![]() 寄せ付けない |
![]() 一網打尽にできる |
設置 | ![]() 場所に応じた製品がある |
![]() 狭い隙間に置ける |
![]() 場所に応じた製品がある |
![]() 事前準備が必要 |
効果の持続 | ![]() 半年~1年前後 |
![]() 1カ月前後 |
![]() わからない |
![]() わからない |
即効性 | ![]() 薬剤によっては即日 |
![]() すぐにかかることもある |
![]() わからない |
![]() わからない |
安全性 | ![]() 殺虫成分使用 |
![]() 殺虫成分不使用 |
![]() 殺虫成分不使用 |
![]() 殺虫成分使用 |
ゴキブリ駆除効果がもっとも高い!ベイト剤(毒餌)
ベイト剤とは、虫の好むえさに殺虫成分を配合した、いわば毒餌剤です。とくに、ゴキブリ駆除用の毒餌剤をベイト剤という場合もあります。ゴキブリを家の中から駆除したい場合は、もっとも効果が期待できるアイテムです。
即効性や抵抗性に違いアリ!殺虫成分3種の効果とは
ベイト剤は、含まれている殺虫成分によって、大きく3種類にわけられます。
殺虫成分の効果 | 効果が表れる時期 | 殺虫成分に対する抵抗性 | |
---|---|---|---|
ホウ酸団子系 (ホウ酸団子) |
消化器系をはじめ、さまざまな器官へダメージを与える | 数日~半月 | – |
ヒドラメチルノン系 (例:コンバット) |
呼吸器系にダメージを与える | 3日前後 | 生じやすい |
フィプロニル系 (例:ブラックキャップ) |
神経系にダメージを与える | 1日前後 | 生じやすい |
ホウ酸団子系 (ホウ酸団子) |
|
---|---|
殺虫成分の効果 | 消化器系をはじめ、さまざまな器官へダメージを与える |
効果が表れる時期 | 数日~半月 |
殺虫成分に対する抵抗性 | – |
ヒドラメチルノン系 (例:コンバット) |
|
---|---|
殺虫成分の効果 | 呼吸器系にダメージを与える |
効果が表れる時期 | 3日前後 |
殺虫成分に対する抵抗性 | 生じやすい |
フィプロニル系 (例:ブラックキャップ) |
|
---|---|
殺虫成分の効果 | 神経系にダメージを与える |
効果が表れる時期 | 1日前後 |
殺虫成分に対する抵抗性 | 生じやすい |
ホウ酸団子系 ― 同じアイテムを使い続けたい人向け
高濃度で使用されるホウ酸は、さまざまな器官(複数の作用点)に徐々にダメージを与えるため、ホウ酸団子を食べたゴキブリが死ぬまでには、数日から長くて半月ほどの時間がかかります。その代わり、限られた作用点にダメージを与える殺虫成分に比べて、高度な抵抗性は生じにくいと考えられます。
実際には、ベイト剤の近くでゴキブリが発見されることはほとんどありません。
各メーカーが出しているホウ酸団子は、誘引剤の中身やホウ酸の分量に違いがあります。また、毒餌の固さも違い、半生タイプのものも販売されています。中身が違うため一概には言えませんが、固さだけを比べると、固いタイプよりも半生のやわらかいタイプのほうが食いつきがいいと考えられています。とはいえ、固いタイプでも十分効きます。

ホウ酸団子といえば、手作りする人もいらっしゃいますね。ホウ酸以外は、小麦粉やお砂糖といった家にあるものでできるのでおススメです。
ホウ酸団子の作り方は⇒『ホウ酸団子はなぜ効果的?ゴキブリを殺せる黄金比率・作り方・安全性』
ヒドラメチルノン系 ― なるべく早くやっちゃってほしい人向け
実際には、ベイト剤の近くでゴキブリが発見されることはほとんどありません。
ヒドラメチルノンは、呼吸器系にダメージを与える、ベイト剤によく使われる成分です。この成分が入ったベイト剤をゴキブリが食べると、3日前後で死にます。市販のベイト剤の中で知名度の高い“コンバット”にも、ヒドラメチルノンが配合されています。
20年以上前から使用されてきたヒドラメチルノンですが、長年使用された場所においては、チャバネゴキブリで抵抗性が発達するケースも見られます。
フィプロニル系 ― 1日も早くやっちゃってほしい人向け
実際には、ベイト剤の近くでゴキブリが発見されることはほとんどありません。
フィプロニルは、近年、ベイト剤においてもっともよく使用されている成分です。毒性が非常に強いため、この成分が入ったベイト剤をゴキブリが食べると、1日前後で死にます。市販品では“ブラックキャップ”などに含まれています。
ホウ酸団子、ベイト剤の効果の持続
ホウ酸団子は半年から1年程度、そのほかのベイト剤は、約半年間は効果が持続するとされています。
なお、ホコリが付いてしまったり、湿気を吸ってしまったりした場合は、期限に関わらず交換した方がいいでしょう。理由としては、ゴキブリの食い付きが悪くなったり、誘引効果が薄れてしまうからです。
参考元:アース製薬
効果を発揮してもらうためにも、交換時期をカレンダーに登録し、何ヶ月かおきにチェックしましょう。
家に出るゴキブリは抵抗性の心配ナシ!
ホウ酸団子以外の殺虫成分は、ゴキブリに抵抗性が生じる可能性がありますが、一般家庭のゴキブリ対策では心配しなくても大丈夫です!
なぜなら、一般家庭でよく見られるクロゴキブリやヤマトゴキブリ、ワモンゴキブリの大型種は、外から侵入してくるからです。彼らは、内と外を行ったり来たりしているわけで、メンバーが毎年異なります。
対して、工場や飲食店で繁殖する小型のチャバネゴキブリの場合は、限られたメンバーで急速に増殖していきます。彼らの隠れ場所(巣)にベイト剤を置くと、大半のメンバーは死にますが、中には、ベイト剤をほとんど口にせずに生き残るものが出てきます。そうした生き残りメンバーの次の世代、そのまた次の世代くらいには、遺伝的に薬剤の抵抗性を身に着けているというわけです。
抵抗性について詳しくは⇒『驚異の生命力!スーパーゴキブリ(抵抗性ゴキブリ)は殺虫剤が効かない!』
繁殖力について詳しくは⇒『1匹いたら100匹いる?ゴキブリのやばい繁殖力!まさかの単為生殖も』
ドミノ効果は期待しないほうがいい
「毒餌を食べたゴキブリのふんを、別のゴキブリが食べて死ぬ」という、いわゆるドミノ効果を謳っている製品がありますが、ゴキブリは、ふんや死体よりも、毒餌そのものを圧倒的によく食べるので、ドミノ効果を実際にはあまり期待しなくてもよいわけです。
エサがまったくない密閉空間であれば、ふんを食べますが、家の中には、仲間のふんなんかよりも美味しいものがたくさんあるわけです。ベイト剤があれば、ふんよりもベイト剤に食いつきます。ただし、ベイト剤を食べたゴキブリのふんを肢で触れ、その肢を身づくろいのために舐めると、何かしらの影響が出る可能性はあります。
いずれにしても、ふんを食べることやふんに触ることを期待するよりも、積極的にベイト剤を仕掛けたほうが確実でしょう。
市販のベイト剤は、プラスチック容器の中に毒餌を格納していますが、子どもやペットが口にしてしまわないよう、設置場所は十分に注意してくださいね。
ベイト剤の設置場所については⇒『隠れゴキブリ一網打尽!ベイト剤(毒餌)の効果的な設置場所・時期・個数を徹底解説』
おススメのベイト剤は⇒『最強ベイト剤ベスト5|ゴキブリ対策アイテムを編集部が徹底比較』
昔ながらの安心&便利アイテム!ゴキブリ捕獲器
“ごきぶりホイホイ”で有名な捕獲器は、誘引剤でゴキブリをおびき寄せて、粘着シートで捕獲する、設置式の駆除剤です。一種のトラップですね。昔ながら方法ですが、有効なゴキブリ対策のひとつです。
捕獲器は狭い隙間に差し込める!
捕獲器の一番の魅力は、狭い隙間に差し込んでそのまま置いておけること。ゴキブリは、壁と食器棚の間といった狭い隙間にじっとしていることが多く、そこを目がけてトラップを仕掛けるというわけです。
また、薬剤を使わずに捕獲できるため、小さなお子さんがいても安心して使用することができますね。
捕まっているゴキブリが確認できると、「捕ったど~!」という実感が得られてワシは好きじゃが、「ゴキブリなんて見たくもない!」という人にとっては、捕獲器の処分は嫌じゃろうなあ。そういう人は、中身を見ずに上部をつまんで処理するといいじゃろう。

効果アップ!?捕獲器を設置するときのポイント
一般家庭でよく見られるクロゴキブリは、外から侵入してくると、まず水やエサを目指すため、比較的早い段階で捕獲器にかかってくれる可能性があります。ですから、なるべく早く見つけてもらうために、窓や玄関、排水溝の近くの隙間といった、侵入口付近に置いておくといいでしょう。
侵入経路について詳しくは⇒『【専門家監修】ゴキブリはどこから入る?5つの侵入経路と防止対策🏠一戸建て・マンション共通』
家のなかでゴキブリが大量発生した場合は、隠れ場所(巣)を特定するために、調査用の捕獲器を活用するといいじゃろう。まず、ゴキブリが出る場所を中心に、ゴキブリの巣になりやすい場所に捕獲器を設置する。わんさとかかるものがあれば、そこには巣があるはず。その付近にベイト剤を設置すれば、確実にやっつけられるというわけじゃ。

捕獲器の効果の持続
効果がどれくらい持続するのかは、商品によって異なります。ある製品は、「シートの粘着力は1カ月程度持続する」と謳っているように、効果の維持は、粘着シートや誘引剤の差によって差があります。1週間ごとにチェックをして、かかっていたら処分、かかっていなければ1カ月程度で新しいものに交換するとよいでしょう。
おススメの捕獲器は⇒『最強捕獲器をご紹介|ゴキブリ対策アイテムを編集部が徹底比較』
家にいるゴキブリを一網打尽にしたい!「くん煙剤」
くん煙剤は、閉め切った室内空間に有効成分を蒸散させて、家の中にいるゴキブリやその他の害虫を一網打尽にするアイテム。 煙を出すタイプと、霧を出すタイプの2種類があります。“バルサン”や“アースジェット”といった製品で知られていますね。
殺虫成分には、スプレー式駆除剤によく使われている「ピレスロイド」のほかに、メトキサジアゾンという薬剤が含まれています。いずれの殺虫成分も神経系に作用します。
メトキサジアゾンは、毒性は高くないものの、ピレスロイドに対する抵抗性を持っている虫にも作用すると言われています。
くん煙剤は、自分の手を動かさずに家にいるゴキブリを一気にやっつけられる代わりに、使用前には、パソコンなどの機器にカバーを掛けたり、火災報知器にカバーをしたり、ペットや植物などを外に出したりといった準備が必要です。製品に添付されている使用方法をよく読んだうえで使ってくださいね。
くん煙剤の効果の持続
いずれの製品も、効果が持続する期間については明確には述べられていません。1度使用した後、卵が孵化する10日~3週間後くらいに、再度使用すると効果的だと謳われています。また、使用後は、換気や掃除によってある程度の殺虫成分が消去されるため、新たに侵入するゴキブリをやっつけられるかどうかは不明です。
くん煙剤の使い方について詳しくは⇒『引っ越し時のゴキブリ対策にバルサン!作業時間や効果的な使い方、掃除方法まで解説』
ゴキブリを寄せ付けたくない人のための「忌避剤」
ゴキブリの嫌いな成分を配合したゴキブリ対策アイテム。ゴキブリを寄せ付けない、あるいは追い出す効果が期待できます。製品によって形態はさまざまで、忌避成分を沁み込ませた芳香剤やゲル、液体などが専用のケースに入っています。
設置式の忌避剤は、ゴキブリの嫌いな、ハッカ油やオレンジ油、樹木成分といった天然成分から成る製品が大半を占めています。殺虫成分を使用していないため、安心して使えるのが大きなメリット。食器や食べ物の近くといった、なるべく殺虫成分を使用したくない場所に置くのに適しています。また、小さなお子さんがいる場合も安心して使えますね。
子どもがいる家庭向け対策アイテムは⇒『👶🍼赤ちゃん🐶ペットも安心のゴキブリ対策方法!安全第一なら忌避剤?』
また、ゴキブリを駆除するものではないので、忌避剤の周囲を避けて、別の場所に来ることはあるでしょう。
忌避剤のなかには、超音波を利用した製品があるんじゃが、効果のほどは未知数としか言えんのう。ゴキブリが嫌う超音波を出すそうじゃが、効果が証明されているわけではないんじゃよ。

忌避剤の効果の持続
各製品には大抵、1カ月程度は効果が持続する、と記載されていますが、実際に、どれくらいの間維持されるのかはわかりません。例えば、ハッカ油のスプレーを撒くと、臭いがしているうちは、ゴキブリは寄ってきませんが、成分が揮発してしまうと同時に効果が失われてしまいます。忌避剤に関しても、同じようなことが言える可能性もあります。
おススメの忌避剤は⇒『最強忌避剤をご紹介|ゴキブリ対策アイテムを編集部が徹底比較』
まとめ
今回は、ゴキブリに遭遇しないように設置するタイプの対策アイテムを見てきました。
それぞれに異なる特徴がありましたね。
効果だけを見ると、ベイト剤がもっとも有効ですが、殺虫成分を使用したくない人もいるでしょうし、即効性を重視する人もいるでしょう。自分にピッタリのアイテムを選んでくださいね!
おススメの対策アイテムは⇒『全40種を調査💪最強ゴキブリ対策アイテムはどれ?殺虫剤からベイト剤まで徹底比較』