もっとも効果的なゴキブリ対策、それは、「ベイト剤」(毒餌剤)を設置すること。家の中のどこかに隠れているゴキブリを一網打尽にするには、ベイト剤を置くのが一番じゃ!
また、侵入してくるゴキブリを駆除することもできる。とはいえ、その力を十分に発揮してもらうためには、設置方法や設置場所、設置時期が重要なんじゃ。

ゴキブリを一網打尽にするベイト剤とは?
ベイト剤とは、虫の好む餌に殺虫成分を配合した、いわば毒餌剤です。特に、ゴキブリ駆除用の毒餌剤をベイト剤という場合もあります。
ベイト剤は、「家の中のどこかに潜んでいるゴキブリ」「侵入してくるゴキブリ」の両方を駆除することができる優れもの。
ちなみに、室内にベイト剤を置くと、外にいるゴキブリを呼び寄せてしまうのではないか……と心配になるかもしれませんが、基本的には、外のゴキブリを呼び寄せることはありません。
さまざまな種類があるベイト剤。「どれを選べばいいの?」という方はこちらを参考にしてみましょう。
ベイト剤に含まれる殺虫成分とその効果の違い⇒『ゴキブリ駆除効果がもっとも高い!ベイト剤(毒餌)』
ベイト剤の設置場所は「侵入場所」と「隠れ家(巣)付近」
ゴキブリは外部につながる出入口、例えば玄関や窓、排水溝などから侵入し、そこから家の奥へと歩みを進め、「隅」にじっと隠れています。したがって各エリアの設置場所は、「侵入経路付近」と、隠れ家(巣)となる「隅」が基本です。
では、ベイト剤を置く場所をエリアごとにチェックしていきましょう。ご自宅でよく遭遇するエリアや、侵入されているであろう場所から優先的に設置してみてください。
台所
台所は、水と餌が豊富なので、ゴキブリ遭遇スポットのNo. 1のエリアです。ということは、もっともゴキブリの巣になりやすい場所でもあるということですね。
また、台所におけるおもな侵入経路は、窓と排水溝、排水管を通すために開けた穴などです。ベイト剤は水がかかると崩れてしまうため、排水溝にはなかなか置けません。旅行などで家をしばらく空ける際に置いておくのはいいでしょう。
ベイト剤の設置場所(台所)
- シンク(流し台)の近く
- 冷蔵庫の下や裏
- シンク下の収納(排水管の近く)
- 食器棚/戸棚/引き出し/床下収納
- ゴミ箱の近く
- ガスコンロの近く※コンロの火が届かない場所においてください
- 電子レンジの近く
- 食器乾燥機の近く
- 窓の近く(ある場合)
ゴキブリの巣になりやすい場所について詳しくは⇒台所版・遭遇場所ランキング(シンク・冷蔵庫・生ごみ入れ~)
風呂場
風呂場の排水溝や窓も、侵入経路になります。常時、排水溝に設置するのは難しいですが、使用していない時間は置いておいて、入浴時には別の場所によけておくのもひとつの手です。
編集部のおススメは、屋外用のベイト剤になります。ケースに排水・防水機能が付いているなど、水に強い仕様なので、お風呂場にも置きやすいです。
ベイト剤の設置場所(風呂場)
- シャンプー置き場
- 窓の近く(ある場合)
- 天井の裏(ある場合)
ゴキブリの巣になりやすい場所について詳しくは⇒排水溝も巣になる?水回り洗面所・浴室のチェックポイント
洗面台・洗濯機
洗面台の排水溝や、排水管を通すために開けた穴も侵入経路になります。また、洗面台の下の収納や、洗濯機の下も隠れ家(巣)になりやすいスポットです。
ベイト剤の設置場所(洗面台・洗濯機)
- 洗面台の収納(排水管の近く)
- パイプスペース※給水管、排水管、ガス管などをまとめた設備
- 洗濯機の下(洗濯パン)
- 窓の近く(ある場合)
トイレ
トイレは、隅っこに置いておけば効果が得られます。窓がある場合は、そこにも置いておきましょう。ただし、子どもやペットがいる場合には、口にしてしまうと危険なので、すぐ目につく場所への設置は避けてください。
ベイト剤の設置場所(トイレ)
- 隅(三角コーナーの近くなど)
- 窓の近く(ある場合)
ゴキブリの巣になりやすい場所について詳しくは⇒ゴキブリは便器の中にいる!?トイレのチェックポイント
玄関
玄関は、ゴキブリがよく侵入してくる場所です。とはいえ、子どもやペットがいる場合は、玄関扉のすぐ横といった目立つ場所に置いておくわけにはいきません。したがって、ゴキブリの巣になりやすい「奥」「隅」に重点的に置くのがいいでしょう。玄関であれば靴箱などです。
ベイト剤の設置場所(玄関)
- 靴箱の奥や近く
- 傘立ての近く
- 床(たたき)の隅
- 窓の近く(ある場合)
ベランダ・窓
ゴキブリは窓からも侵入してきます。サッシの近くに設置しておくと効果的です。また、ベランダも要注意。エアコンの室外機の下や、プランター・花壇の近くなどに仕掛けておきましょう。
ベイト剤の設置場所(ベランダ・窓)
- エアコンの室外機の裏・下
- プランター・花壇の近く
- 窓の近く
- 放置しているものの近く
エアコンの対策方法について詳しくは⇒『エアコンのゴキブリ対策!ドレンホースの防虫キャップ3種を徹底比較(セリア・因幡・アーク)』
ベランダにベイト剤を置く場合は、ゴキブリ以外の生き物が口にしないように、ケースに入ったベイト剤にしよう。とはいえ、ベイト剤の設置は家の中だけでも十分効果を発揮してくれるから、野良猫や鳥が入り込めるような庭には、念のために、ベイト剤を設置しないほうがいいじゃろう。

ゴキブリの巣になりやすい場所について詳しくは⇒ベランダに潜伏するゴキブリ!プランターや室外機の下は要チェック!
居間・寝室
居間・寝室においても、テレビや家具の裏側といった普段目に触れない場所に設置しましょう。
ベイト剤の設置場所(居間・寝室)
- ベットの下
- タンスや衣装ケースの裏
- テレビの裏
- クローゼットの奥
ゴキブリの侵入経路のひとつである屋根裏は、クロゴキブリが卵を産み付ける場所でもある。もし、ご自宅が、簡単に屋根裏に上がれる構造の家の場合は、屋根裏にもベイト剤を設置しておくといいじゃろう。産卵防止にもつながるわけじゃ。

ゴキブリの巣になりやすい場所について詳しくは⇒ゴキブリは部屋のどこに潜んでいる?居室・寝室のチェックポイント
ベイト剤の個数と設置時期
一般家庭でよく見かけるクロゴキブリ・ヤマトゴキブリ・ワモンゴキブリなどの大型種は、行動範囲が広く、縦横無尽に動きます。そういった理由から、侵入経路と隠れ家(巣)に1~2つずつ置いて狙い撃ちするのが一番です。

これら3種の大型ゴキブリは、屋内に侵入すると、まず水と餌を探すため、侵入場所付近に設置した餌を含むベイト剤は確実にヒットするのです。
また、ベイト剤の設置時期は、成虫が屋内に侵入し始める5、6月からが必須です。とくに、侵入してくる場所の近くに設置すると効果てきめん! 奥へ奥へと侵入される前に死んでいただきましょう。そうすれば、家の中に卵を産み付けられる心配もありません。もちろん、隠れ場所(巣)になりそうな場所にも設置しておくといいでしょう。
一般家庭ではあまり見られませんが、もしチャバネゴキブリを見かけた場合は、隠れ家(巣)とその周辺に、50cm程度の間隔で置いてください。チャバネゴキブリは、寒い時期でも暖かな場所があれば増えていくので、遭遇したら季節関係なく設置しておきましょう。
ゴキブリを寄せ付けないための5つのポイント
ベイト剤を置きさえすればOKか? というとそんなことはありません。せっかくベイト剤を設置しても、ゴキブリの好物がたくさん転がっていれば、ゴキブリたちはベイト剤ではなく、そちらを選んでしまいます。ベイト剤に十分に力を発揮してもらうためには、それ相応の心がけが大切です。
そこで以下の5つのポイントが身に付けば、もう怖いものはありません! 是非、できるところから、はじめてみてくださいね。
【ポイント1】餌になるものを放置しない
ベイト剤に食いついてもらうためには、ほかの餌をなくす必要があります。
具体的には、
- 食べかけのものは蓋つきの容器に保存する
- 食べ終えた後の食器を放置せずにすぐに洗う
- 生ごみが出たらなるべく早く処理をする
といった工夫をするといいでしょう。
【ポイント2】油汚れは残さない
匂いに敏感なゴキブリは、油の匂いも大好き。ギトギトベタベタのガスコンロや換気扇は、彼らからすればいい匂いの発生源ですから、放置していると、誘引することになるのです。油汚れはこまめに掃除しましょう。
油汚れに使えるアイテムについて詳しくは⇒『100均のプロ・和田由貴さん推薦!ゴキブリ対策グッズ13選(ダイソー/セリア)』
【ポイント3】水気はなるべく除去する
ゴキブリは何より水を求めているので、水気があるところ、湿気があるところに寄ってきます。台所のシンクや調理台、浴室、洗面所、洗濯機周辺は、なるべく水気を拭き取っておきたいですね。

ゴキブリは水がないと生きていけません。人間と同じですね。ボクもそうです! だからこそ彼らは、屋内に侵入したらまず水を求めて移動するのです。飲食店の調理場にゴキブリがたくさんいるのは、餌が豊富であること、暖かいことに加えて、常に床が水で濡れているという理由もあるのです。
また、ゴキブリは、餌がなくなると、埃や水垢、髪の毛をはじめなんでも食べますから、常日頃から清潔にしておくことも大切ですね。
【ポイント4】物を移動しやすい状態にする
ゴキブリは、私たちの目が届きにくい、奥や隅、裏、そして隙間でじっとしています。例えば、タンスと壁の隙間、食器棚と調理台の隙間など。こういうと、隙間をなくせばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、私たちの目にはピタリとくっついているように見えても、わずかな隙間はできてしまうもの。彼らはそのわずかな隙間にも入り込むことができるのです。であれば、くっつけてしまうのではなく、こまめに掃除をしたり、チェックしたりできるように、移動しやすい配置にしたほうがいい、というわけです。
【ポイント5】隙間をふさぐ
ゴキブリは屋外から侵入してくることがほとんどです。例えば、シンク下の排水管と床の隙間や、網戸とサッシの隙間、押入れの中の隙間など、彼らは「えっ!? こんな場所から?」という場所を狙って入ってきます。侵入場所を参考に、隙間をふさいでおきましょう。
侵入経路をふさぐなら、こちらのアイテムをチェック⇒『100均のプロ・和田由貴さん推薦!ゴキブリ対策グッズ13選(ダイソー/セリア)』
まとめ
今回は、ベイト剤の設置方法と設置場所、そして、ゴキブリを寄せ付けないための5つの習慣を見てきました。
簡単におさらいをすると、
ベイト剤設置のポイント
【クロゴキブリ・ヤマトゴキブリ・ワモンゴキブリ】
- ・侵入経路付近と隠れ家(巣)周辺に少数を置き、狙い撃ち!
- ・設置時期は、ゴキブリが活動し始める5、6月がベスト
【チャバネゴキブリ】
- ・巣とその周辺に、50cm間隔にたくさん設置して一気に始末!
- ・設置時期は、季節関係なく見かけたらいつでも
ゴキブリを寄せ付けないための5つの習慣
- 1.餌になるものを放置しない
- 2.油汚れは残さない
- 3.水気はなるべく除去する
- 4.物を移動しやすい状態にする
- 5.隙間をふさぐ
ベイト剤を置いても効果が実感できない、という人がいれば、一度設置場所などを見直してみてくださいね。
また、「遭遇場所に近いエリアから攻めていくよりも、よりピンポイントにベイト剤を設置したい!」という人は、まずはトラップを仕掛けて、侵入経路や巣の場所を特定しましょう。怪しいと思う隙間や侵入場所に、市販の捕獲器を仕掛けてみてください。かかったゴキブリの数が多い場所からベイト剤を設置していけば、間違いなく攻め落とせるでしょう。
おススメのベイト剤は⇒『最強ベイト剤(毒餌剤)ベスト5』