飲食店や食品工場、ビルの湯沸かし室に多いチャバネゴキブリ。じゃが、近年は一般家庭でも見かけられる場合があり、飲食店と同様の対策が必要なんじゃ。
今回は、彼らの生態などに触れながら、駆除や対策の方法を紹介しよう。

チャバネゴキブリが家に出るようになった理由
一般家庭でチャバネゴキブリが見られるようになった理由は、家に侵入する隙間が増えたためではありません。
家の隙間は昔も今も多く、侵入のチャンスは少なくないのです。
これまでチャバネゴキブリが一般家庭で見られなかった理由は、彼らが寒さに弱く、一般家庭では越冬できなかったことがあげられます。
たとえば、チャバネゴキブリ(卵、幼虫、成虫)と温度の関係を調べた実験では、下記のようなデータがあります。
“涼しさに馴れさせるために15℃に40日保つと,それだけで卵は死亡するし,幼虫と成虫は,その後本当の寒さ(5.5℃)に10日間生存できるが,30日までは生存できない.興味ある事実として,20±1℃の温和な温度でも,成虫の卵の生産が阻止されるのである”(Tsuji and Mizuno, 1972; 辻,2011=屋内ゴキブリ・写真と参考データ.環境生物研究会).
つまり、近年の一般住宅には、チャバネゴキブリの定着条件である、冬でも夏同様の温度、餌、飲み水、隠れ場所が揃っているのです。
そのため、普通の家庭でもチャバネゴキブリが見られるようになったと考えられます。
チャバネゴキブリの生態について
チャバネゴキブリの生態をおさらいしましょう。クロゴキブリと比較すると、見た目だけでなく、適応できる気候や行動範囲、発育速度が異なることがわかります。
チャバネゴキブリとクロゴキブリの生態比較
![]() チャバネゴキブリ |
![]() クロゴキブリ |
|
---|---|---|
体長 | 15mm~18mm | 30mm~40mm |
形態的特徴 | 【成虫】薄茶色の小型種で、前胸背の2本の縦筋が目立つ 【幼虫】体の両縁と、中~後胸背面中央が黄色のほかは黒色 |
【成虫】前胸背が大きく、全体にツヤがあり、羽が長い 【幼虫】ふ化幼虫の背面が黒地で中胸背に白帯、第二腹節両脇に白斑がある。大型に生育すると茶褐色になる |
気候適応 | 寒さに弱く、屋外での越冬は不可能 | 寒さに強く、幼虫または卵で屋外(温帯)でも越冬する |
行動範囲 | 狭い/屋内で増殖する | 広い/野外から屋内に侵入する |
発育速度 | 速い/1年で2世代以上増殖する | 遅い/成虫になるまでに1.5年~2年、それ以上かかることもある |
![]() チャバネゴキブリ |
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体長 | 15mm~18mm |
形態的特徴 | 【成虫】薄茶色の小型種で、前胸背の2本の縦筋が目立つ 【幼虫】体の両縁と、中~後胸背面中央が黄色のほかは黒色 |
気候適応 | 寒さに弱く、屋外での越冬は不可能 |
行動範囲 | 狭い/屋内で増殖する |
発育速度 | 速い/1年で2世代以上増殖する |
![]() クロゴキブリ |
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体長 | 30mm~40mm |
形態的特徴 | 【成虫】前胸背が大きく、全体にツヤがあり、羽が長い 【幼虫】ふ化幼虫の背面が黒地で中胸背に白帯、第二腹節両脇に白斑がある。大型に生育すると茶褐色になる |
気候適応 | 寒さに強く、幼虫または卵で屋外(温帯)でも越冬する |
行動範囲 | 広い/野外から屋内に侵入する |
発育速度 | 遅い/成虫になるまでに1.5年~2年、それ以上かかることもある |
『衛生害虫ゴキブリの研究』(北隆館)、『日本産直翅類図鑑』(学研プラス)から作成
※越冬休眠とは、発育、増殖、など生命活動を停止させて冬越すること
チャバネゴキブリの移動通路と隠れ場所は「隙間」
チャバネゴキブリは小型種なので、定着条件があれば狭い隙間を移動し、しかも大群で住み着くことが多いです。また隙間は、彼らの隠れ場所にもなります。
そのため、チャバネゴキブリの駆除は、移動経路と隠れ場所となる「隙間」の特定が大切です。当てずっぽうにベイト剤を置いたり、スプレー式駆除剤を散布したりしても、効果は期待できません。
彼らがどこからやってきて、どこに住みついているのかを把握してから、ベイト剤でやっつけるのが一番なんです。
今回は、チャバネゴキブリの生態から考える
- 移動経路(侵入経路)
- 隠れ場所(生息場所)
- 調査方法
- 駆除方法
- 予防と対策方法
を詳しく解説していきます。
しかし実際の行動には、隙間からの(餌、水、などの)匂い、温度などを探り、反応していることが前提となります。
1) チャバネゴキブリの移動経路(侵入経路)
まずは、チャバネゴキブリが移動通路を使って侵入してくる「歩行侵入経路」を見つけましょう。ただ、実際の家は隙間だらけの場合が多いため、すべての隙間を特定するのは難しいと考えておいた方がいいです。
また、ものにくっ付いて入ってくる「人為移入経路」についても確認しておきましょう。
①歩行侵入経路
台所や浴室、洗面所の排水管をつたって床の隙間などからの侵入
Runstrom and Bennett (1984, 1990)の論文には、集合住宅に生息しているチャバネゴキブリは、台所や浴室の水道管を使い移動すると報告されています。
またそれは、移動先が暗く、餌や水があると、より顕著になるという実験結果も報告があるのです。

チャバネゴキブリの成虫は15mm~18mm、おおよそクロゴキブリの半分です。幼虫はさらに小さく約3mmしかありません。また、ふ化幼虫はアリ同様に小型で、たいていの隙間(数ミリ以下でも)を通過します。宇宙船のような密室でない限り、チャバネゴキブリは侵入できてしまうということですね。
\チャバネゴキブリの成虫と幼虫/
成虫
幼虫
『衛生害虫ゴキブリの研究』(北隆館)、『日本産直翅類図鑑』(学研プラス)から作成
②付着侵入経路(人為移入経路)
ものにくっ付いて侵入(段ボール、衣類、袋、バッグなど)
人によって持ち込まれてしまうケースも多いそうです。
お店に持ち込んだバッグや袋、上着やコートのポケットに、チャバネゴキブリが入り、そのまま持ち帰ってしまった!こともあり得るのです。
これは飲食店に限ったことでなく、公共交通機関や職場などでも同じことがいえます。
そのほか、スーパーや小売店などでもらった段ボール、テイクアウトした飲食物の箱なども注意が必要です。
ゴキラボ・和田の体験談
以前、喫茶店の客席でチャバネゴキブリの幼虫に遭遇したことがあります。また、宿泊先のホテルでも見かけたことがあるんです。
彼らは体長約3mmと小さく、ゴキブリらしくない見た目なので、気づかない人がほとんどではないでしょうか。もしバッグや洋服に忍び込んでしまったら、知らないうちに持ち帰ってしまうのも、納得でした。

ゴキラボ編集部・和田
2)チャバネゴキブリの隠れ家の特徴
チャバネゴキブリは、あたたかい場所に集まる傾向があります。また彼らは、0.5cmの隙間が好きだということが分かっています。(Tsuji&Mizuno,1973;水野・辻,1974)
そして新しい隙間を発見しても1~2匹で入ることはせず、集団で隠れ家に隠れていることが多いです。自分たちのフンや分泌物がある場所の方が安心するんだと考えられます。(水野・辻,1974)
これらから、チャバネゴキブリの隠れ家となりそうな場所の特徴は下記が考えられます。
- 直射日光が当たらない隙間や物陰
- 湿気がある暖かな場所
- 餌や水がある場所の近く
- 「ふん」などの排泄物で汚れている
- 段ボールや布、紙、容器や雑物を積み重ねているところ
具体的な隠れ家になりそうな場所
隠れ家の特徴から考えられる隠れ家になりそうな場所は下記になります。
- 食器洗い機や冷蔵庫などの下や裏や隙間
- 食器棚や食材庫の隅
- 常にものを積み重ねている場所
- 壁付きコンセントの中
- 電子レンジの中
- ブレーカー(配電盤)の中
- FAX、PCの中など
3)まず調査、それから駆除(居るのか、居ないのか、どこに多いか)
チャバネゴキブリを見かける場所はもちろん、見かけない場所でも、トラップを仕掛けて、生息の有無、隠れ場所、出現場所を確認します。通常は、トラップ設置の1週間後に捕獲数を調べ、ゴキブリの「多かったトラップ場所」にベイト剤(ホウ酸団子など)を仕掛けます。その時、新しいトラップに交換しますが、ゴキブリが捕れなかった場所のトラップの交換設置はとりやめてもかまいません。
ベイト剤の効果は交換設置後のトラップのゴキブリ捕獲数で判断できます(早ければ一週間、遅くても一ヶ月)。
このように、まず調査が肝心。とくにトラップ調査が基礎となって、その結果から隠れ場所、侵入経路、主要な水飲み場、餌場などを発見できます。そこから水や餌の除去、隠れ場所や隙間のテープによる閉塞や、集合場所への有効なベイト処理も可能となるのです。
以下に、トラップによる調査と対策をまとめておきます。
チャバネゴキブリの調査と駆除に必要なもの
- 調査用の粘着トラップ
ゴキブリが少ない場合は誘引剤つきのもので検出を早めようとしますが、
誘引剤の変化で結果が異なるのを避ける目的で、長期的には誘引剤のないものを使いましょう。 - ホウ酸団子
- 隙間を埋めるためのパテやテープ
調査用の粘着トラップについて詳しくは⇒ 『全40種を調査💪最強ゴキブリ対策アイテムはどれ?殺虫剤からベイト剤まで徹底比較』
ホウ酸団子の作り方について詳しくは⇒ 『ホウ酸団子はなぜ効果的?ゴキブリを殺せる仕組み・作り方・安全性』
チャバネゴキブリの調査と駆除の方法
始めの1日目~7日目:隠れ家と侵入経路の特定
チャバネゴキブリを見かけた部屋に粘着トラップを設置します。部屋の隅っこに限らず、真ん中など、まんべんなく置くのがポイントです。同じ場所に3~7日間継続設置します。
トラップは7日間設置したままで、設置7日後に捕獲数を記録するだけでもいいでしょう。
- 部屋の隅っこ、真ん中
- 台所→食洗機の下(排水ホースのあたり)、冷蔵庫の下、電子レンジの下、シンク下の排水口付近、食器棚や食材庫の隅など
- 洗面所→洗面所の下の排水口付近、洗濯機の排水ホース付近
- 日常的に電源が入っており、かつ動かすことのない家電(例:ブレーカー(配電盤)、デスクトップPCやFAX付近)
調査用トラップを各場所に2~3個ずつ、50cm間隔で仕掛けます。
その結果を確認し、捕獲したチャバネゴキブリの数が多かった位置にベイトを設置していくのです。
始めの7日間調査ではトラップは毎日新しいものに変える必要はありません。目印を付けるなどして、同じメーカーの同じ形式トラップを同じ場所に設置するようにしてください。
数日間設置を続けると、チャバネゴキブリの捕獲数が多い粘着トラップが出てくるはずです。
チャバネゴキブリは多数場所に局在潜伏(かたよって潜んでいる)するので、最初1m~50cm間隔の設置でも捕獲数が大きく異なる場合もあります。
なお、捕獲のなかった調査トラップは別の場所の調査に使いましょう。
辻博士によると、「設置するトラップやベイト剤の数が多いのは、最初の調査だからであって、チャバネゴキブリの潜伏場所を発見するため」ということなんじゃ。潜伏場所や侵入経路が発見できれば、以後は設置場所、枚数、ベイト設置場所の数は減らせるぞ。

7日目※調査期間によって変動:特定した場所にホウ酸団子を設置
チャバネゴキブリの捕獲数が多かった粘着トラップの設置場所の付近の目星がついたら、ホウ酸団子を設置しましょう。
なお、隠れ家付近に隙間があれば、隙間用テープやパテで埋めておきます。そうすれば、外部からの侵入を防ぐこともできるのです。
以降:生息チェック
ホウ酸団子は食べたあとすぐに効果が出るものではありません。チャバネゴキブリが確実に死に至るまでには1週間から半月ほどの期間がかかります。その期間以降に、チャバネゴキブリを見かけなくなっていれば、駆除は成功だと考えられます。
4)調査・駆除後の長期的予防と対策方法
チャバネゴキブリを見かけなくなったとしても油断は大敵です。0匹を目指すには予防と対策が重要になります。下記のチェックシートを参考に予防と対策につとめましょう。
常時発生する施設や季節では、トラップによる調査を、7日間ではなく、30日間隔で長期的に監視するのが専門業者ではむしろ普通なのです。
台所・洗面所・浴室・トイレなどのチェック項目
居間・寝室・廊下などのチェック項目
そのほか
5)調査・駆除後もチャバネキブリが出る場合
調査と駆除をしたあとも、チャバネゴキブリが出てくる場合、やはりトラップの調査が頼りとなります。
ゴキブリが出てくる場所のトラップの密度を増やして(左右、上下に追加して、間隔を狭める)、潜伏場所や侵入経路をより正確に検出し(探し)、その場所かなるべく近くにベイト(ホウ酸ダンゴなど)を追加します。
実際に潜伏状態を確認できた場合は、そこがまさにベイトポイントなのです。ベイト剤(ホウ酸ダンゴ)を設置して、餌場にするわけです。彼らは、毎度、毎晩そこに集合して食べてくれます。
もし、その場所に散布殺虫剤を散布すると、殺虫剤の忌避性によってベイト剤が食べられなくなりますし、別の場所に集合するようになります。なぜなら、多くの散布剤は忌避性を示すからです。
ベイト剤が食べられているかどうかも調べる必要もあります。食べられる割合が少なければ、ベイト剤の種類(や餌の成分)を変更します。
チャバネゴキブリがベイト剤を食べているかどうかを確認したい場合は、透明のケースに入ったベイト剤を使用するとよい。
ベイト部分を虫眼鏡で見て、食べたかどうかを見ます。ケースから取り出して、確認するのは雑菌などの心配があるので、絶対にしてはならん。

6)チャバネゴキブリの駆除をおこなう季節
寒さに弱いチャバネゴキブリ(Tsuji&Mizuno,1973)は、その習性を活かして冬に調査・駆除をおこなうといいです。冬は、隠れ家があたたかい場所に限定されるので、トラップ調査で生息場所を特定しやすくなります。チャバネゴキブリは、21℃~33℃、とくに25℃~30℃の場所を選んで住みついています。(Gunn,1935)
またチャバネゴキブリは冬眠しないので、冬の間もエサや水を求めて移動します。寒い工場内でも、暗くなるとあたたかい潜伏場所から50cm程度の至近距離を急いで往復しています。その範囲でベイト剤やトラップが有効なので、調査や駆除がおこなえるのです。(辻,2000).
7)チャバネゴキブリの被害
- 家電製品の基盤に侵入したチャバネゴキブリの死骸やフンによる火災被害
- 家電製品の故障の原因
チャバネゴキブリはクロゴキブリよりも注意した方がいいゴキブリです。理由は、その繫殖力にあります。下記表の通り、ほかの種類の約2倍も高いです。また幼虫が出るタイミングにも問題があります。彼らの幼虫は、卵鞘が産み落とされたと同時に生まれます。もし産卵場所が家電内だったとすると、その中でチャバネゴキブリが増殖するんです。
チャバネゴキブリとクロゴキブリの繫殖力の違い
産卵方法 | 産卵(卵鞘)回数の平均 | 卵鞘ひとつあたりの卵の数 | 産卵時期 | ||
---|---|---|---|---|---|
大型 | クロゴキブリ | 卵鞘の先がお尻から突き出て1~2日間後に、湿気の多い場所に産み付ける。 | 約10回 | 10前後~20前後 | 7~10月※ワモンゴキブリは6~8月 |
ヤマトゴキブリ | 7.4~19回 | ||||
ワモンゴキブリ | 18回以上 | ||||
小型 | チャバネゴキブリ | お尻から突き出た卵鞘を20日前後抱え続けた後に、ポロリと産み落とします | 4~8回 | 20前後~40前後 | 1年中※20℃以下の環境の場合は除く |
産卵方法 | |
---|---|
産卵(卵鞘)回数の平均 | 卵鞘ひとつあたりの卵の数 |
産卵時期 | |
大型 | |
クロゴキブリ | |
卵鞘の先がお尻から突き出て1~2日間後に、湿気の多い場所に産み付ける。 | |
約10回 | 10前後~20前後 |
7~10月 | |
ヤマトゴキブリ | |
卵鞘の先がお尻から突き出て1~2日間後に、湿気の多い場所に産み付ける。 | |
7.4~19回 | 10前後~20前後 |
7~10月 | |
ワモンゴキブリ | |
卵鞘の先がお尻から突き出て1~2日間後に、湿気の多い場所に産み付ける。 | |
18回以上 | 10前後~20前後 |
6~8月 | |
小型 | |
チャバネゴキブリ | |
お尻から突き出た卵鞘を20日前後抱え続けた後に、ポロリと産み落とします。 | |
4~8回 | 20前後~40前後 |
1年中※20℃以下の環境の場合は除く |
(辻,2018/『薬局』2018Vol.69,No.8より抜粋して作成。※孵化幼虫数は四捨五入等をして単純化してある)
8)チャバネゴキブリについてのQ&A
最後は、チャバネゴキブリの気になる疑問・質問を解決しましょう。予防・駆除・対策の参考にしてくださいね。
Q1.チャバネゴキブリは寒さで死んでしまうことはありますか?
あります。
卵の場合は15℃に40日で死亡します。
幼虫と成虫の場合は、15℃の環境で涼しさに慣れさせたあと、冬の寒さ(5.5℃)で10日間生存できますが、30日までは生存できないというデータがあります。
(Tsuji and Mizuno, 1972; 辻,2011=屋内ゴキブリ・写真と参考データ.環境生物研究会).
Q2. “ドミノ効果”のあるベイト剤は効果がありますか?
チャバネゴキブリに、“ドミノ効果”のある殺虫成分を含んだベイト剤を食べさせたあと、その死骸をほかのチャバネゴキブリに与えた実験では、効果は確認されています。
ただ、ほかにエサがあれば、チャバネゴキブリはそちらを食べるので、死骸やフンをあえて食べることは考えにくいです。したがって、“ドミノ効果”だけで巣ごとやっつけることは、難しいといえます。
Q3.集合住宅にチャバネゴキブリが発生している場合、1部屋だけ駆除・対策しても数は減りませんか?
チャバネゴキブリは垂直にも水平にも移動するので、すべての部屋で駆除・対策をおこなう必要があると考えられます。
なお、チャバネゴキブリは大型ゴキブリ(クロゴキブリなど)に比べると、移動範囲も狭く、移動速度も遅いです。
Q4.チャバネゴキブリは1匹いたら、同じ家の中に大量にいる可能性はありますか?
チャバネゴキブリは集団行動を好むので、1匹いたらそれ以上いる可能性は高いです。
繁殖力について詳しくは⇒ 『1匹いたら100匹いる?ゴキブリのやばい繁殖力!まさかの単為生殖も』
Q5.チャバネゴキブリが大量に発生してしまいました。くん煙剤で一気にやっつけても大丈夫でしょうか。
駆除を急ぐ場合に使用しますが、急速に回復する傾向(チャバネゴキブリの数がまた増える)がありますので、ベイト剤を使っての駆除が一番です。
なお、くん煙剤を焚いた場合、ベイト剤はなるべく使用場所を別にしましょう。忌避してしまします。
- 『衛生害虫ゴキブリの研究』(北隆館)
- Runstrom, E. S. and Bennett, G. W. 1984. Movement of German cockroaches as influenced by structural features of low-income apartments. J. Econ. Entomol., 77:407–411.
- Runstrom, E. S. and Bennett, G. W. 1990. Distribution and movement patterns of German cockroaches within apartment buildings. J. Med. Entomol., 27: 515–518.
- 「チャバネゴキブリ成虫の垂直移動に関する実験的研究,とくに餌,水の配置と潜伏場所間の距離に対する雌雄の反応の比較」(小曽根惠子,伊藤真弓,金山彰宏,2011)
- 「本当に困っている人のためのゴキブリ取扱説明書―ドクター青木式・究極の退治マニュアル」(青木 皐著)
- 「動物が原因で出火した火災事例について」(東京消防庁予防部調査課)
- ヒドラメチルノン含有べイト剤「シージ⑧ジェル」のチャバネゴキブリに対する殺虫効力
(内海与三郎,出口智也,西川 勝,亀井正治,林 晃史 2001)