足立区生物園(東京都)と箕面公園昆虫館(大阪府)で、同時開催中の「G(じ~)っとみるゴキブリの世界 ガサガサ・ゴソゴソ展」(2019年11月1日(金)~2020年3月1日(日))。前期と後期で展示を入れ替え、約40種以上のゴキブリを紹介する企画展です。
「ゴキブリのイベントには、絶対参加!」という使命を背負ったゴキラボ編集部・和田が、足立区生物園へ取材に行ってきました!(訪問日 2019年11月12日)
取材協力:足立区生物園、箕面公園昆虫館
「G(じ~)っとみるゴキブリの世界 ガサガサ・ゴソゴソ展」とは?
「昆虫としてのゴキブリを知って欲しい」という“ゴキラブ”な思いをテーマにした企画展です。
東京都の足立区生物園と大阪府の箕面公園昆虫館がタッグを組み、ゴキブリの魅力を伝えます。
足立区生物園(東京都・足立区)
両施設、それぞれ異なる展示を行う同展。
「え、両方とも違う展示!? じゃあ、2カ所とも行かないとダメなの?」とお思いの方、そんなことはございません! 1部(11月1日~12月28日)と2部(2020年1月2日~3月1日)で、双方の展示が入れ替わるため、どちらかの施設に2度足を運べば両方の展示を楽しめるんです!(もちろん、両方の施設へ行って、それぞれの展示を見るのもアリ)
箕面公園昆虫館(大阪府・箕面市)
今回、ゴキラボ編集部は、足立区生物園さんの展示を取材させていただけることになりました。さらに、箕面公園昆虫館さんには、電話取材を行わせていただきました!
前半は足立区生物園さんの展示レポートを、後半は箕面公園昆虫館さんの展示内容をご紹介します!
【東京会場】足立区生物園
昆虫はもちろん、両生類、魚類、哺乳類などを間近に見られる、都内有数の生物園です。
館内には、横5.5m、深さ2.3m、奥行き2.7mもある金魚の巨大水槽、1・2階が吹き抜けになったチョウの大温室など、見ごたえのある展示が来場者を楽しませてくれます。
そんな生き物ファンにはたまらない生物園で開催されている「G(じ~)っとみるゴキブリの世界 ガサガサ・ゴソゴソ展」。どんなゴキブリに会えるのか、期待に胸を膨らませながら、いざ入園!
\案内してくれたのはこの方々/
解説員・水生昆虫飼育担当の井原 沙緒里さん(写真左)と解説員・陸生昆虫飼育担当の中村 玲子さん(右)。

井原沙緒里さん
和田さん、足立区生物園へようこそ! 今日はゴキブリの魅力をたっぷりと堪能していってくださいね
はい! この企画展では、ゴキブリの新たな一面が見られるということで、楽しみにしてきました。ワックワクです!

ゴキラボ・和田
ゴキブリ=害虫というイメージを覆す企画展
同展のテーマがかかれた、「ごあいさつ」のパネル。
まず、ゴキブリだけで企画展をやろうと思ったきっかけをお伺いできますか?

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
足立区生物園は、以前からゴキブリを取り上げた企画展を実施しています。というのも、ゴキブリはたくさんの人が知っている昆虫なのに、害虫というイメージが強すぎて、昆虫として意識している人が少ないからです。私たちは、それを少しでも変えたいと思い、ゴキブリにスポットをあてた企画展を開催しています
ゴキブリの多くは野外にいて、ほかの昆虫と同じような生活をしていますもんね。そして、ほとんどの方がそれを知らないのも事実です

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
この企画展は、2つのゾーンで構成されています。1つ目のゾーンでは『昆虫としてのゴキブリ』、2つ目のゾーンでは『ゴキブリの生きざま』を知ってもらえるようになっているんです
なるほど! それなら、ゴキブリのこと知らない人でも、楽しめそうです

ゴキラボ・和田
昆虫としてのゴキブリに迫る
まずは、「昆虫としてのゴキブリ」を紹介するゾーンへ。ここで聞こえてきたのが、謎のラップ。
井原さん、ゴキブリの展示を見る前に、気になる音楽が…

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
これは、ゴキブリのことを歌ったラップです。小さい子にも歌ってもらえるように、キャッチ―なリズムと、『ガサゴソ』という覚えやすい言葉を使っています。作詞は私が担当しました
Gokiラップ! ゴキブリのことを歌うラップは初めて聞きます。「ガサゴソ」のリズムを聞きながら、ゴキブリを見られるなんて、ユニークですね!

ゴキラボ・和田
リズミカルなGokiラップを聞きながら、さっそくゴキブリとご対面!
意外な人気者!クロゴキブリ
クロゴキブリはやはり外せないんですね!

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
実は、昨年と2015年に行った、ゴキブリの人気投票ではクロゴキブリが一番人気だったんですよ
クロゴキブリが1位とは、すごく意外です! 一番身近な種類だからなのかなぁ

ゴキラボ・和田
- 和名 クロゴキブリ
- 学名 Periplaneta fuliginosa
ところで、なぜカップ&ソーサーをクロゴキブリと一緒に展示されているんですか?

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
ゴキブリの飼育ケースは、生息地や出没場所を再現しています。また、体の色や形が特徴的なゴキブリに関しては、姿をよく観察していただけるような展示にするなど、テーマに合わせたレイアウトになっているんです。ちなみに、屋内にいる害虫種は、それぞれの隠れ場所をイメージした小物を入れています
なるほど! ソーサーの下に隠れているところが、クロゴキブリっぽい(笑)

ゴキラボ・和田
- 和名 チャバネゴキブリ
- 学名 Blattella germanica
飲食店に多いチャバネゴキブリは、ミニチュアキッチンと一緒にいる(笑)。手が込んでますね!

ゴキラボ・和田
ゴキブリの実害と対策を知る

井原沙緒里さん
このゾーンでは、ゴキブリの害についても説明しています。以前、『人と虫の衣食住展』という企画展で、ゴキブリの対策や害を紹介した時に、大人の方が熱心に見てくださっていたんです。ゴキブリ展をやるなら、これも大切な要素だな、と思いパネルを用意しました
やはり害虫のイメージは拭えないですもんね

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
これを読んで、どうすればゴキブリと共生できるのかを、考えてほしいなと思っています。また、人の生活がゴキブリを呼び寄せていることも、知っていただきたいですね
クロゴキブリを大解剖!?

井原沙緒里さん
ほかには、ゴキブリの解剖標本もあります。彼らの体には、昆虫としての特徴があるということが分かりやすくなっていると思います
本当ですね。胸部・頭部・腹部の3つに分かれている、脚が3対あるなど、昆虫の特徴がすごく理解しやすいです

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
また、この企画展のためにクロゴキブリを初めて解剖したんです。その時に撮影した消化器官の写真もパネルにしています。ゴキブリの消化器官には歯のような役割をする突起があり、その写真も公開しているんですよ
ゴキブリのことを隅々まで知ることができますね。ゴキブリを解剖してみた感想はどうでしたか?

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
実験動物として使われているだけあって、昆虫としての体の構造がわかりやすかったです
その体験を活かした展示なんですね。すごいです!

ゴキラボ・和田
動く!ゴキブリの尾肢の模型
気になる模型が出てきました。これは何を再現しているんですか?

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
ゴキブリのお尻にある尾肢(びし)という突起の模型になります。よく見ると、細い毛が生えているのが見えますか? アンテナの役割をしている感覚毛(かんかくもう)という部分で、風や音、声などの空気の振動を感じると、彼らは危険を察知して逃げるんです
なるほど! ゴキブリの逃げ足が早い理由がここに隠されていたわけですね!

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
和田さん、フーっと息を吹きかけてみてください!
体験動画はコチラ!
アンテナ(感覚毛)がフワフワ揺れています! すごくユニークな展示ですね。これは、全てのゴキブリに共通している部位なんですか?

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
そうです。毛の密度や長さは種類によって変わりますが、基本的に全ゴキブリに共通した部位になります。ちなみに、模型で再現しているのはチャバネゴキブリの尾肢です
尾肢をここまで再現した展示は、とても珍しいんじゃないでしょうか。素晴らしいです!

ゴキラボ・和田
美しく、かっこいいゴキブリも!
- 和名 ニジイロゴキブリ
- 学名 Pseudoglomeris magnifica
ニジイロゴキブリの生体は初めてみました!

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
最近、日本でも生体展示ができるようになったんです。体の色に個体差があって、緑っぽい子もいれば、銅色っぽい子もいます
- 和名 ルリゴキブリ
- 学名 Eucorydia yasumatsui
ルリゴキブリやニジイロゴキブリのように、見た目がキレイなゴキブリが人気なんですか?

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
そうですね。グリーンバナナゴキブリもキレイな色をしているので、人気がありますね
- 和名 グリーンバナナゴキブリ
- 学名 Panchlora nivea

井原沙緒里さん
チャームポイントの模様と翅を隠しているのが、グロウスポットゴキブリです
- 和名 グロウスポットゴキブリ
- 学名 Lucihormetica verrucosa
頭隠して、尻隠さず(笑)。翅の短さとオレンジ色の斑点が、とってもキュートですね

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
この大きなゴキブリは、ブラベルスギガンテウスです
- 和名 ブラベルスギガンテウス
- 学名 Blaberus giganteus
めちゃくちゃ大きいですね! カメラを向けたとたん、木くずの中に潜り始めた(笑)

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
地中性というわけではないのですが、隠れていた方が安心するんだと思います。ゴキブリは基本的に潜みたい昆虫なので、自然界でも隙間や物陰にいることが多いですね
ゴキブリは色も形も多種多様で、見ていて飽きないです。キレイでカッコいいゴキブリたちを見た、来場者さんの反応はいかがですか?

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
小学生の高学年になると「わーゴキブリだ! 気持ち悪い!」と言う子もいます。でも、幼稚園ぐらいの子だと抵抗なく「わールリゴキブリだ!」と喜んで見ている子も多いですね。こういったゴキブリは、見る機会が少ないと思うので、じっくり観察していただければと思います
ゴキブリにもいろんな種類がいることを、たくさんの人に知ってもらいたいですね!

ゴキラボ・和田
展示には、ゴキブリスト・柳澤静磨さんも可愛いとおっしゃっていた、ハバニカ(マダガスカルゴキブリ)の姿もありました。
- 和名 ハバニカマダガスカルゴキブリ
- 学名 Elliptorhina javanica
ゴキブリの生息環境とは?

井原沙緒里さん
ゴキブリの生息環境を紹介する展示です。実は、屋内に生息しているゴキブリというのは、種類が限られています。実際は、森の中で暮らしているゴキブリがほとんどだということを知って欲しいですね
- 和名 ヤエヤママダラゴキブリ(幼虫)
- 学名 Rhabdoblatta yayeyamana

井原沙緒里さん
八重山諸島の森林に住んでいるヤエヤママダラゴキブリです。成虫は、日本産ゴキブリのなかでも、最大級のサイズを誇ります。現在は成虫がいないため、幼虫を展示しています。彼らの幼虫は、水の中に潜るという、ユニークな習性を持っているんですよ
水に潜るゴキブリ(幼虫)!? ゴキブリが泳ぐという噂はありますが…

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
ヤエヤママダラゴキブリの幼虫は、おそらく天敵から身を守るために、水辺にある岩の隙間や落ち葉の下に隠れています。だから体が自然のものに近い色をしているんだと考えられます
水に潜っていると、ゴキブリだとは気がつかないです。森林で暮らす彼らの姿は、昆虫なんだなと感じさせてくれますね

ゴキラボ・和田
子育てからケンカまで!ゴキブリの生きざまがスゴイ
2つ目のゾーンは『ゴキブリの生きざま』です。ゴキブリのコミュニケーションや、産卵、さらには天敵まで知ることができます。

井原沙緒里さん
ゴキブリも生き物のいちグループです。人間にとっては嫌われ者でも、自然界では森の分解者としての役割を持っています。ここでは、ゴキブリの知られざる一面を見ていきましょう
森をキレイにするゴキブリ
- 和名 リュウキュウゴキブリ
- 学名 Pycnoscelus indics

井原沙緒里さん
八重山諸島などの暖かい地域の林床で暮らしているゴキブリです。石や落ち葉の下にいます
すぐに潜っちゃうところが可愛いですね。恥ずかしがり屋さんかな(笑)

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
森にいるゴキブリは、生き物の死骸や朽ち木などを食べ、フンとして土に還してくれる“掃除屋さん”なんですね。また、地面を歩きまわって、土を耕すという仕事もしています。また、種類によってはハチやチョウのように、花粉を運んで受粉を助けるという役割も担っているんですよ
ゴキブリにそんな働き者の顔があったなんて! ますます好きになっちゃいます

ゴキラボ・和田
ゴキブリのフェロモンは古い家の匂い!?
- 和名 ワモンゴキブリ
- 学名 Periplaneta americana

井原沙緒里さん
ゴキブリは、仲間を呼び寄せるためにフェロモンを出しています。和田さん、ちょっとワモンゴキブリの匂いを嗅いでみてもらえますか?
古い家の匂いがします! さっき、チャバネゴキブリの匂いも嗅いでみたんですけど、少し酸味のある香りでした

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
実は、フェロモンは同じ種類のゴキブリだけに効果があるものではないんですよ。例えば、チャバネゴキブリは、クロゴキブリのフェロモンにも引き寄せられるみたいで、一緒に隠れている場合もあります
クロゴキブリとチャバネゴキブリ!? ゴキブリ界の二大勢力が集まるなんて、ゾクッとしますね

ゴキラボ・和田
※甲殻アレルギーやダニアレルギーをお持ちの方は、ゴキブリの匂いを嗅ぐことで、症状がでる場合があります。上記のアレルギーがある方や、アレルギー体質の方はお控えください。
戦うゴキブリ
- 和名 インシグニスマダガスカルゴキブリ
- 学名 Aeluropoda insignis

井原沙緒里さん
マダガスカルゴキブリのオスは、縄張り意識が強いです。自分のテリトリーに別のオスが入ってくると、角をぶつけ合ってケンカをします
闘牛ならぬ、闘Gですね(笑)。鳴いて威嚇もしますし、かなり個性的なゴキブリだと思います

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
実は、家でマダガスカルゴキブリを飼育しているんですけど、夜になるとすごいです。ガタガタガタガタって音がするぐらい、激しくぶつかり合っていますよ(笑)
そんなに!? すごく見てみたいです!

ゴキラボ・和田
ゴキブリにも親子愛が!?
- 和名 リュウキュウクチキゴキブリ
- 学名 Salganea taiwanensis ryukyuanus

井原沙緒里さん
リュウキュウクチキゴキブリは、親子で暮らしています。朽ち木の中で、その木を食べながら生活しているんです。飼育下では、クワガタ用の昆虫マットを使いますが、自然ではいろんな木を食べているみたいですね
ファミリータイプのゴキブリなんですね。微笑ましい!

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
親子一緒に暮らす理由は、その食性にあります。彼らの子供は、餌となる朽ち木を分解するための酵素を持たずに生まれてくるんです。なので最初のうちは、親が口移しで餌を与えます。彼らは栄養と朽ち木を分解するための酵素を、口移しで受け継ぐのです
そういった習性のあるゴキブリは他にもいるんですか?

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
親子で一緒に暮らすゴキブリには、この他にヨロイモグラゴキブリがいます。ただし、彼らは朽ち木ではなく、ユーカリの葉を食べる種類です。あと、珍しいものだとビートルローチ。彼らは、親子で暮らす亜社会性のあるものとは別項目で、胎生と呼ばれるゴキブリになります。お腹の保育嚢で孵化した幼虫を育て、加齢してから生みます。なんと幼虫がお腹にいる間は、ミルクで育てるんです。そのミルクの栄養価が高いというので、世界で注目されているみたいですよ
ゴキミルク…。すごく興味深いゴキブリですね

ゴキラボ・和田
身を守るゴキブリ
- 和名 ヒメマルゴキブリ
- 学名 Perisphaerus pygmaea
身を守るゴキブリと言えば、体を丸めるヒメマルゴキブリですね

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
ヒメマルゴキブリは、アリなどの小さな虫からは身を守ることはできます。ただ、鳥や爬虫類だと、丸飲みできるので、残念ながら…
あぁ…(泣)

ゴキラボ・和田
ゴキブリの天敵は人間だった!?
展示のラストを飾るのは、ゴキブリの天敵。パネルには、クモやカエル、寄生バチなどに交じって人間の姿も。生体展示には、ニホンヤモリがいたのですが…。
ニホンヤモリ
残念ながら、夜行性ということで、姿を見せず…(会いたかった!泣)
ゴキブリと触れ合える!
同展には、ゴキブリと触れ合えるコーナーも用意されています。解説員の中村さんの案内で、マダガスカルゴキブリを撫でさせていただくことに!

中村玲子さん
マダガスカルゴキブリと触れ合えるので、和田さんもいかがですか?
おぉ! ぜひ、お願いします!

ゴキラボ・和田
表皮はカブトムシのように硬くて、ツルッとしていますね。それにしてもおとなしい…。お客さんの反応はどうですか?

ゴキラボ・和田

井原沙緒里さん
喜んで触ってくれる人もいますし、「ひゃー! ゴキブリ!」って怖がる方もいますね
マダガスカルゴキブリと触れ合い、満面の笑みを浮かべる和田。
動くゴキブリに触るのはちょっと…。という方には、触れる標本展示もあります。ぜひ、勇気を出して撫でてみて!
箕面公園昆虫館の展示内容を紹介!
日本三大昆虫宝庫と称される、自然豊かな箕面市の森の中にある箕面公園昆虫館。箕面周辺に生息している昆虫の生体展示をはじめ、国内外の珍しい昆虫の標本、国内外のチョウが飛び交う放蝶園など、楽しめるコンテンツがそろった施設です。
副館長の清水聡司さんに、「G(じ~)っとみるゴキブリの世界 ガサガサ・ゴソゴソ展」で行われる、箕面公園昆虫館の企画内容をお伺いしました。

清水聡司さん
「ゴキブリはあくまで昆虫のひとつ」が展示のテーマになります。ゴキブリは昆虫の一種なんだよ、ということを伝えたいですね。害虫種ばかり目立っていますけど、何をするわけでもないので、忌み嫌わずに、良き隣人として…とまでは言いませんが(笑)
ゴキブリは害虫というイメージが先行して、いいイメージがないですもんね。良き隣人まではいかなくても、ご近所さんぐらいにはなって欲しいですね(笑)

ゴキラボ・和田
日本産ゴキブリの新種も展示!
箕面公園昆虫館さんが企画する展示には、どんなゴキブリがお目見え予定でしょうか

ゴキラボ・和田

清水聡司さん
25種が登場予定です。そのうち、ヴァンウェレベキマダガスカルゴキブリ、ジャイアントウッドゴキブリ、マルゴキブリなど10種は、箕面公園昆虫館の企画展示でしか見られない種類になります。あと、新種の日本産ゴキブリも展示予定です
それはぜひ見たいです! 彼らが展示される日程は、箕面公園昆虫は11月1日~12月28日、足立区生物園さんは2020年1月2日~3月1日。私は東京在住なので、来年見に行きます!

ゴキラボ・和田
箕面公園昆虫館さんの企画で展示されるゴキブリ
- 和名 ヴァンウェレベキマダガスカルゴキブリ
- 学名 Princisia vanwaerebeki
マダガスカルゴキブリの一種。体は大きく、動きはゆったりしています。
- 和名 ジャイアントウッドゴキブリ
- 学名 Archimandrita tesselata
透明感のある翅がとても美しいゴキブリ。ブラベウスギガンテウスに匹敵するほど、大きい体の持ち主です。
- 和名 マルゴキブリ
- 学名 Trichoblatta nigra
木の幹などにぴったりと体をつけることで身を守ります。見た目のキュートさはピカイチ!
- 和名 クラニファーメンガタゴキブリ
- 学名 Blaberus craniifer
ブラベウス属の一種。胸部、翅は透明感のあるベージュ色をしています。大きくて美しいゴキブリ。

清水聡司さん
期待に応えて、ゴキブリならではの気持ち悪い展示も予定しています。怖いもの見たさで、楽しんでいただける方もいると思うので。ただ、本当に嫌いになってしまわれても困りますから、ほどほどにします(笑)
期待しています(笑)。パネル展示はいかがですか?

ゴキラボ・和田

清水聡司さん
系統樹や形態図など、博物館らしいパネルを展示します。ゴキブリの体を描いた形態図は、翅は翅脈(しみゃく)の細部まで描いてるんですよ。そういった、「そんなところ、誰も見ないでしょ?」という、細かすぎて伝わらないバカバカしさを重視しています(笑)
分かる人には分かるおもしろさですね。ちなみに、清水さんはゴキブリお好きですか?

ゴキラボ・和田

清水聡司さん
私は蝶から昆虫の世界に入っているので、最初は抵抗がありましたね。だからこそ、一般的な感覚もよくわかります。でも、今は衛生害虫と言われているような種類も、嫌いではないですよ
最初は苦手でも、見ているうちに好きになることってありますよね。実は私もその口なので、この企画展がきっかけで、ゴキブリ好きが増えてくれればいいなと思っています!

ゴキラボ・和田
箕面公園昆虫館さんでは、「G(じ~)っとみるゴキブリの世界 ガサガサ・ゴソゴソ展」の期間が終了後(2020年3月1日以降)も、引き続き「G(じ~)っとみるゴキブリの世界 ガサガサ・ゴソゴソ展 リターンズ」としてゴキブリの展示をされる予定です。
※生体展示については、状況により種類が変更になる場合があります。
お土産にぴったり!ゴキブリグッズ
足立区生物園と箕面公園昆虫館のミュージアムショップでは、企画展限定のゴキブリグッズを販売中です。自分用はもちろん、お友達へのお土産にピッタリなアイテムがラインアップ!
コットンバッグ550円
缶バッチ150円
コットンバッグと缶バッチのイラストは、生物園解説員の中村さんの作品です。ゆるっと描かれたゴキブリたちに、癒されること間違いなし!
さらに、両者ともにスマートフォンのフラッシュを付けて写真撮影すると、絵柄が光ります。カッコいい!
ピカッと光る!
むしーるコレクション Gの足音編(5枚パック・300円、コンプリートセット1200円)
ゴキブリのシールコレクション(一部)
全20種のゴキブリをシールにした足立区生物園企画の「むしーるコレクションGの足音編」。裏面には、表面にプリントされているゴキブリのミニ解説が付いています。
ゴキブリ柄のマスキングテープ(15mm/550円、30mm/750円)
箕面公園昆虫館が企画したゴキブリ柄のマスキングテープ。サイズは2種類で、15mmの絵柄には、オブロンゴナタマダガスカルゴキブリ、グリーンバナナゴキブリなどが、それぞれプリントされています。そして30mmには、ワモンゴキブリとコワモンゴキブリがズラリ。これを貼れば、どんなものでも素敵なゴキブリ柄に大変身!
まとめ
昆虫としてのゴキブリに注目した「G(じ~)っとみるゴキブリの世界 ガサガサ・ゴソゴソ展」。
足立区生物園さんの展示では、珍しいゴキブリが見られるだけでなく、ゴキブリの新たな一面を知ることができました。彼らの魅力が余すことなく伝わる展示は、“ゴキラブ”さんじゃなくても楽しめる内容になっています。
また、箕面公園昆虫館さんの展示も同様に、今までとは違うゴキブリの顔を発見できるはずです。
“ゴキブリ=害虫から、ゴキブリ=昆虫”へとイメージが変わる企画展で、ゴキブリを「G(じ~)」っと、観察してみましょう。
嫌いなあいつから、ちょっと好きなこの子に変わるかも!?
取材メモ
ゴキブリ愛に満ちた足立区生物園さんの展示(とくにGokiラップ)に、ただただ感動してしまいました。取材中には、「これ、本当にゴキブリ? イメージが変わるね」という来場者の声もチラホラ。そんな声を聞いて、ニヤリとしてしまう、ゴキラボ編集部なのでした。
バックヤードの風景。たくさんのゴキブリたちが、ここで飼育されていました。
開催概要
開催期間(両施設共通)
2019年11月1日(金)~2020年3月1日(日)
※1部(11月1日~12月28日)と2部(2020年1月2日~3月1日)で、双方の展示が入れ替わります
東京会場
開催場所 | 足立区生物園 |
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開館時間 | 9:30~17:00(2月~10月)、~16:30(11月~1月)(入場は閉館の30分前まで) |
休館日 | 月曜日※祝日の場合は翌日、年末年始(12月29日~1月1日) |
入館料 | 小・中学生/150円(団体100円)、高校生以上/300円(団体200円) |
SNS | |
住所 | 東京都足立区保木間2-17-1 |
電話番号 | 03-3884-5577 |
大阪会場
開催場所 | 箕面公園昆虫館 |
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開館時間 | 10:00~17:00(入場は閉館の30分前まで) |
休館日 | 火曜日※祝日の場合は翌平日・年末年始※2019年11月1日~11月30日は火曜も開館 |
入館料 | 高校生以上/280円、中学生以下/無料ほか。※小学校3年生以下のお子さまの入館には、必ず保護者(大人の方)の同伴が必要 |
SNS | |
住所 | 大阪府箕面市箕面公園1-18 |
電話番号 | 072-721-7967 |