飲食店用・チャバネゴキブリ対策ガイド!駆除業者依頼前にやる4つのこと

投稿日: 2018/12/18

ゴキブリの侵入経路「排水溝」「ダンボール」「窓」など

「キャー!ゴキブリ!」なんて叫び声が上がれば、その飲食店のイメージは一気に下がり、客足も次第に遠のいて……となりかねんほど、飲食店におけるゴキブリの出現は致命傷じゃ。大量発生して取り返しがつかなくなる前に、飲食店に適したゴキブリ対策・駆除方法をチェックしておこう!

飲食店におけるゴキブリ対策の基本4

把握:代表的なチャバネゴキブリ・クロゴキブリの生態

基本的なゴキブリの生態をおさえてこそ、より有効な対策がとれるというもの。まずは敵を知るべし! なのです。

チャバネゴキブリ
飲食店で大量増殖する
チャバネゴキブリ

クロゴキブリ
一般家庭だけでなく飲食店にも侵入する
クロゴキブリ

飲食店などでもっともよく見られるのは、小型のチャバネゴキブリです。
次いで、一般家庭でよく見られる大型のクロゴキブリも出ます。
ほかにも地域によっては、クロゴキブリ同様に大型のヤマトゴキブリやワモンゴキブリが出ます。高温高湿の地下街ではトビイロゴキブリが多い場所もあります。

これらの生態は、クロゴキブリに似ているので、今回はクロゴキブリの生態の基本をおさえておきましょう。
生態について詳しくは⇒『【写真付】日本のゴキブリ4種の生態(特徴・寿命・生息地・成長速度)』

チャバネゴキブリとクロゴキブリの生態比較

チャバネゴキブリ
チャバネゴキブリ
クロゴキブリ
クロゴキブリ
体長 15mm~18mm 30mm~40mm
形態的特徴 【成虫】薄茶色の小型種で、前胸背の2本の縦筋が目立つ
【幼虫】体の両縁と、中~後胸背面中央が黄色のほかは黒色
【成虫】前胸背が大きく、全体にツヤがあり、羽が長い
【幼虫】ふ化幼虫の背面が黒地で中胸背に白帯、第二腹節両脇に白斑がある。大型に生育すると茶褐色になる
気候適応 寒さに弱く、屋外での越冬は不可能 寒さに強く、幼虫または卵で屋外(温帯)でも越冬する
行動範囲 狭い/屋内で増殖する 広い/野外から屋内に侵入する
発育速度 速い/1年で2世代以上増殖する 遅い/成虫になるまでに1.5年~2年、それ以上かかることもある
チャバネゴキブリ
チャバネゴキブリ
体長 15mm~18mm
形態的特徴 【成虫】薄茶色の小型種で、前胸背の2本の縦筋が目立つ
【幼虫】体の両縁と、中~後胸背面中央が黄色のほかは黒色
気候適応 寒さに弱く、屋外での越冬は不可能
行動範囲 狭い/屋内で増殖する
発育速度 速い/1年で2世代以上増殖する
クロゴキブリ
クロゴキブリ
体長 30mm~40mm
形態的特徴 【成虫】前胸背が大きく、全体にツヤがあり、羽が長い
【幼虫】ふ化幼虫の背面が黒地で中胸背に白帯、第二腹節両脇に白斑がある。大型に生育すると茶褐色になる
気候適応 寒さに強く、幼虫または卵で屋外(温帯)でも越冬する
行動範囲 広い/野外から屋内に侵入する
発育速度 遅い/成虫になるまでに1.5年~2年、それ以上かかることもある

同じゴキブリとはいえ、チャバネゴキブリとクロゴキブリとでは、ずいぶんと特徴が異なります。
中でも覚えておいてほしいいのは、以下の3点です。

  • ・チャバネゴキブリは屋内で増殖を繰り返す
  • ・チャバネゴキブリは行動範囲が狭く、寒さに弱い
  • ・クロゴキブリは外から侵入してくる

ここに、それぞれのゴキブリを一網打尽にするヒントがあるのです。

調査:どこから入るのか?どこにいるのか?

「やつらはいつもここから出てくる!」と、彼らの隠れ場所(巣)が思い当たる方も、「小型のゴキブリどこからともなく湧いて、気がつけば大量発生していた」という方も、一度、調査用のトラップを設置してみることをおススメします。

調査用トラップ(捕獲器)

調査用のトラップとは、“ごきぶりホイホイ”でおなじみの捕獲器のことです。いろいろなサイズの製品が販売されており、インターネット上で購入することができます。調査用トラップを購入したら、以下の巣の特徴に当てはまる場所やその周辺に設置してください。
巣について詳しくは⇒『ゴキブリの巣はどこ?遭遇場所ランキングから考える効果的な対策場所』

飲食店におけるゴキブリの巣の特徴
  • 直射日光が当たらない隙間や物陰
  • 湿気がある暖かな場所
  • 餌や水がある場所の近く
  • 「ふん」などの排泄物で汚れている
  • 段ボールや布、紙、容器や雑物を積み重ねているところ

厨房には、上記に当てはまる場所がたくさんありますね。ゴキブリは大型・小型に限らず、このような環境に巣を作り、生息しているのです。
例えば、厨房機器の下や隙間、食器洗い機や冷蔵庫などの下や裏や隙間、食器棚や食材庫の隅、常に物を積み重ねている場所など、お客さんの目に触れない場所を中心に、思いつく限りのところに設置してみてください。
ふんについて詳しくは⇒『【写真付】ゴキブリのふんの特徴・みつけたらどうする?3つの害とは?』

冷蔵庫や厨房機器の隙間

調査用のトラップは、10枚入りから50枚入り、多いものだと500枚や1000枚ものトラップがセットになっているので、場所を厳選して置くのではなく、あちこちに置いてみるとよいじゃろう。思わぬところに巣があるかもしれんからのお。

駆除:ベイト剤(毒餌剤)の設置

ベイト剤(毒餌剤)

「どこにいるのか?」がわかれば、あとは、その場所にベイト剤を置けばOKです。
ベイト剤とは、いわば毒餌剤で、ホウ酸団子や“コンバット”、“ブラックキャップ”などの市販品が有名ですね。
ベイト剤について詳しくは⇒『ゴキブリを見ずに駆除!ベイト剤・捕獲器・くん煙剤・忌避剤の比較』

ベイト剤を置く際のポイントは、チャバネゴキブリとクロゴキブリのどちらが多いのか、で異なります。

ベイト剤設置のポイント

チャバネゴキブリ
ほぼチャバネゴキブリ
チャバネゴキブリクロゴキブリ
チャバネゴキブリもクロゴキブリもいる
クロゴキブリ
ほぼクロゴキブリ
ベイト剤設置のポイント 巣および巣の近くに50cm間隔で設置 巣および巣の近くに50cm間隔で設置
侵入経路に1~2つずつ設置
侵入経路と巣に1~2つずつ設置
ベイト剤設置のポイント
チャバネゴキブリ
ほぼチャバネゴキブリ
巣および巣の近くに50cm間隔で設置
チャバネゴキブリクロゴキブリ
チャバネゴキブリもクロゴキブリもいる
巣および巣の近くに50cm間隔で設置
侵入経路に1~2つずつ設置
クロゴキブリ
ほぼクロゴキブリ
侵入経路と巣に1~2つずつ設置

飲食店でもっとも多いのは、「ほぼチャバネゴキブリ」というケース。
たまにクロゴキブリの侵入もあるとは思いますが、まずはチャバネゴキブリを一掃しなければなりません。もたもたしていると、彼らは大量発生してしまいます。

チャバネゴキブリは、体が冷えると動けなくなってしまうため、とくに冬は、暖かい巣から出て行動するのはせいぜい50cm程度。そんな距離しか動けなくても、飲食店の厨房であれば、床中に水が撒かれていたり、食材があちこちに落ちていたりするので、冬でも生きながらえてしまうわけです。
ともあれ、いちばん行動範囲が狭くなる冬を基準に、50cm間隔でベイト剤を設置しておけば、一網打尽にできるのです。

チャバネゴキブリだけではなく、クロゴキブリも結構いた、という場合は、巣と巣の周辺に50cm間隔で設置することにプラスして、侵入経路に1~2つずつ設置しておくといいでしょう。

クロゴキブリのおもな侵入経路は、

  • ・出入り口
  • ・窓
  • ・排水溝
  • ・小さな開口部
  • ・段ボールなどの物にくっついて

です。
侵入経路について詳しくは⇒『【専門家監修】ゴキブリはどこから入る?5つの侵入経路と防止対策』

製品にもよりますが、ベイト剤は半年程度で新しいものに交換したほうがよいでしょう。

予防:衛生環境を改善する

食材のカスがシンクや床に散らばっている厨房

店内にいるゴキブリの種類や巣がわかり、ベイトを設置すると同時に、自分たちの行動を見直してみる必要もあります。普段何気なくしている習慣の中に、ゴキブリを増やしてしまう理由が隠れていることが多いのです。

飲食店用・ゴキブリ対策チェックシート

以下の項目をcheckしてみてください。checkの数が少なければ少ないほど、ベイト剤の効果がより実感でき、新たなゴキブリの発生を抑制することにつながります。日々の習慣を変えるのはなかなか難しいかもしれませんが、少しずつでもcheckの数を減らしていきましょう。

上記の中で、もっとも事を左右するのは、食材や段ボール類の管理です。
実は、チャバネゴキブリの増殖は、餌の量に比例しています(大野・辻󠄀,1972年)。床などに落とした食材が多ければ多いほど増えてしまう
というわけですね。大量発生してしまう前に、衛生環境の改善に取り組みましょう。

ちなみに、屋内の限られた空間で増殖するチャバネゴキブリの成虫と幼虫の割合は、約20%と約80%です(大野・辻󠄀,1972年)。新しい子どもは次々と生まれますが、餌不足などの個体が成長途中で死亡し、一定数しか成虫になれないためです。
つまり、成虫を頻繁に見かける場合は、普段は気が付かないような小さなゴキブリが山ほど潜んでいる……!!ということなのです。ひょえー。

スーパーゴキブリが発生してしまったら……

ゴキブリがいなくなったと確認できるのは、ベイト剤を設置してから、早ければ1週間、2週間もすれば実感できるはずです。

問題は、ベイト剤が効果を発揮しつづけられるかどうか、です。
同じベイト剤を使い続けるうちに、チャバネゴキブリに効かなくなるケースがあるのです。チャバネゴキブリにおいて抵抗性が発達してしまうわけですね。いわゆる“スーパーゴキブリ”の登場です。ベイト剤だけではなく、殺虫成分が含まれているスプレー式駆除剤も同じです。
ちなみに、クロゴキブリやその他の大型ゴキブリでは抵抗性は問題になっていないので、安心してください。
スーパーゴキブリについて詳しくは⇒『驚異の生命力!スーパーゴキブリ(抵抗性ゴキブリ)は殺虫剤が効かない!』

ベイト剤が効かないスーパーゴキブリ

もちろん、効果がある間は同じベイト剤を使って大丈夫です。効かなくなってきたら、ほかのベイト剤を試してみるしかありません。とはいえ、それもまた効くかどうかは設置してみないと何とも言えません。現場ごとに状況が異なるため、一概に言えないのが心苦しいところです……。

ただし、抵抗性が発達しても、ホウ酸団子は比較的効果があると考えられています。
なぜなら、ホウ酸団子はその他の殺虫成分の作用とは異なる働きをするからです。殺虫成分の多くは、例えばフィプロニルという殺虫成分が神経系にダメージを与えるように、ピンポイントに作用します。ところがホウ酸は、消化器系をはじめさまざまな器官にダメージを与えるのです。つまり、どこか一部の抵抗性が発達しても、ホウ酸であれば、抵抗性が発達していないほかの部分も攻撃するため、抵抗性の発達程度が比較的低いと考えられるわけです。
ホウ酸団子について詳しくは⇒『【ゴキブリ殺し】ホウ酸団子は強力で効果抜群!黄金レシピはホウ酸比率20%』

建物全体で対策したほうがいいの?

飲食店がひとつの建物の中に連なっている場合は、建物全体で対策しないと効果が薄いのでは? と思われるかもしれませんが、必ずしもそういうわけではありません。

とくに、チャバネゴキブリは行動範囲が狭いので、自分たちの店舗だけで対策を行っても効果が出ます。他店から大量に移動してきたり、他店へと出て行ったりするには日時がかかるようです。たとえ、他店から侵入したとしても、巣や巣の周辺などにベイト剤を設置して置けば、大量発生は避けられるでしょう。その分、しっかりと巣や巣の周辺に設置することが大切です。一部分だけにベイト剤を設置するだけでは、他の部分に隠れているチャバネゴキブリを駆除することは難しいのです。

駆除業者に依頼する

「とにかく忙しくて、ゴキブリ対策なんてやっていられない!」という方は、駆除業者に依頼してみるといいでしょう。

家をチェックする駆除業者

駆除業者に依頼する場合は、殺虫剤を大量に噴霧して終わり、ではなく、IPM(Integrated Pest Management=総合的有害生物管理)にのっとって対策をしてくれる業者を選んでもらいたいところです。

IPMとは、対象となる昆虫の潜伏場所や行動パターンから考えた、適切な廃物管理、保守点検、建造物修理、殺虫剤を含む各種技術の組み合わせによって、長期的に問題を管理する方式のことです。したがって、お店自身の努力や協力も重要です。

こういうと、専門的で難しそうな気がしてしまいますが、つまりは、きちんと調査をし、経過を観察しながら、さまざまな技術で解決を図ろう、という問題解決の手段としては一般的な考え方です。

害虫駆除の世界では、たびたび強力な殺虫剤が登場してきたことで、とりあえず撒けばいい、という業者が増えてしまいました。そして実際に、そうした単純作業でも、一時的にゴキブリは減るのです。
ところが、先ほどもお伝えしたような“スーパーゴキブリ”の問題があるわけですね。また、習慣的に殺虫剤を散布し続けることへの、環境への負荷が問われるようにもなってきました。

いずれにしても、一回減ってまた増えて……という状態はどのお店も避けたいはず。きちんと現場の状況を把握し、適切な対策をしてくれる業者に依頼しましょう。

ゴキブリ駆除業者への取材記事はこちら⇒『プロ直伝の対策方法も!ダスキンのゴキブリ駆除サービスを徹底レポート!』

まとめ

今回は、飲食店におけるゴキブリ対策を見てきました。
飲食店では、ゴキブリの出現・大量発生は死活問題。ゴキラボで実施したアンケート(回答者1000人/2018年6月実施)では、

  • 男性アイコン

    「中華料理屋で、餃子の具から小さいゴキブリが出てきた」(男性・東京)

  • 男性アイコン

    「学生のころ通っていたカレー屋さんでいつも通り食べていると、あの太ももを持った脚や羽の一部が出てきてトイレで吐いた」(男性・兵庫)

なんていう声もありました。
お店の評判を落としかねないゴキブリですが、それ以外にも経済的な被害をもたらすケースがあります。例えばチャバネゴキブリは、電話機やレジスターの内部に侵入し、そこで大量発生してしまうことがあるのです。小型のゴキブリだからといって放置しておくと、あとで痛い目にあってしまうかもしれません。

結構パンチの効いたゴキブリの現れ方ですが、みなさんのお店は、こんなことのないように、まずは、以下を実行してみてください!

飲食店におけるゴキブリ対策の基本4

1)把握:代表的なチャバネゴキブリ・クロゴキブリの生態
2)調査:どこから入るのか?どこにいるのか?
3)駆除:ベイト剤(毒餌剤)の設置
4)予防:衛生環境を改善する
まず、食材や段ボール類をしっかり管理することからはじめよう

また、「忙しくて自分ではムリ!」という方は、駆除業者に相談してみるといいでしょう。その際には、調査や経過報告をきちんとしてくれる業者を選んでくださいね。

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