泳げるって本当?アロマで予防できる?ゴキブリにまつわる素朴な疑問10

投稿日: 2018/12/4

ゴキラボで行ったアンケート(回答者1000人/2018年6月実施)では、ゴキブリに関する素朴な疑問も寄せてもらったんじゃが、今回はその中から、複数の人が疑問に挙げていた項目について解説していこう。ゴキブリの飛翔や肢が速い理由、おしっこの有無といった生態に関する疑問が多かったのお。みなさんが日ごろ抱いている疑問も含まれているはずじゃ。

ゴキブリはみんな飛ぶの?

いいえ、種類によります。例えば、一般家庭でよく見られるクロゴキブリは飛び、工場などでよく見られるチャバネゴキブリは飛びません。

ゴキブリは長らく、「飛ぶのが上手じゃない」「ほとんど飛ばない」と言われてきました。また、飛んでもせいぜい、高い所から低い所への滑空程度だとも言われてきました。いまでもそのように解説しているサイトもありますね。ところが、種類によっては「ぶんぶん飛ぶ」ことが明らかになっているのです。

一般家庭でよく見られるクロゴキブリでは、家の中で、天井すれすれを20秒前後飛び回る姿が報告されています(辻󠄀,2003)。また、日本ではおもに南九州以南の一般家庭でよく見られるワモンゴキブリも、アメリカのテキサス州で夜間に街灯を巡って飛翔する姿が確認されています(Cloud&Deay,1940)。これらと同様に、涼しい地域の一般家庭でよく見られるヤマトゴキブリも、積極的な飛翔が確認されています。

これらのゴキブリの飛翔が確認されたのは、いずれも真夏であることから、ゴキブリたちが積極的に飛ぶ条件には、“高温”が関係していると考えられます。ゴキブリの行動が活発になる暑い時期には、飛ぶためのエネルギーも十分にある、ということなのでしょう。

また、森や野原に生息しているゴキブリの中にも、飛翔が確認されている種類があります。カブトムシによく似た姿をしているオオゴキブリや、チャバネゴキブリにそっくりなモリチャバネゴキブリ。木々の枝から枝へと飛んでいくマダラゴキブリなどが知られています。

飛ぶゴキブリと飛ばないゴキブリとでは、翅のつくりが違うんじゃ。例えば、モリチャバネゴキブリとチャバネゴキブリ。飛翔するモリチャバネゴキブリは、羽ばたくための後ろの翅が大きくて前の翅は薄い。対して飛翔しないチャバネゴキブリは、後ろの翅が小さく、前の翅が厚くて長い、といった微妙な差があるんじゃ。

ゴキブリはどうしてあんなに速く動けるの?

「脚力」があるからです。

ゴキブリの中でも非常に素早い動きをするのがクロゴキブリ。クロゴキブリなどの大型種は、ほかの昆虫と比べて大変立派な肢を持っているのです。

基節・転節・腿節(たいせつ)といった各部位がすべて大きく、筋肉がしっかりとついています。とくに、ここまで基節の大きい昆虫はあまりいません。さらに、トゲが後方に向かってたくさん生えていることで、前方へ移動しやすかったり、地面にある落ち葉などを掴んでカサカサっと潜りやすかったりします。その反対に、後ずさりは苦手です。

彼らの自慢の肢は、ときにポロっと取れることがあります。みなさんの中には、ゴキブリを捕まえそこねて肢だけが1本残った、なんていう経験をお持ちの方はいませんか? 彼らの肢は、捕まえられそうになった時には、簡単に取れるつくりになっているのです。

正常なときは強い脚力を発揮し、ピンチのときには肢を捨てて逃げる。ゴキブリは、そのようにして、とにかく逃げることで生き残ってきた昆虫なのです。

ゴキブリ退治は背後からよりの正面がいいって本当?

正面のほうが退治しやすい可能性はあります。

ゴキラボでは、ゴキブリを退治する際には、背後からがいいのか正面からがいいのか、という問いに直接答えられる実験データの存在は把握していません。

ですが、背後からよりも正面からのほうが退治しやすい可能性はあると言えます。
まず、正面から対決する場合、ゴキブリは、エビのように後方に逃げること、つまり、足の構造上後ずさりすることが苦手と言えます。しかし、前方には敵がいるわけですから、横を向くという方向転換が必要となり、逃げる動きが一瞬遅くなるわけです。
対して、背後から人間が近寄ると、空気の動きに敏感なゴキブリに気配を察知されて、そのまま前方へと全速力で逃げられる可能性があるということなのです。

ゴキブリって泳げるって本当?

本当です。(正確には水面を浮いたまま移動し、足場がよければ水をくぐることができる)

一般家庭でよく見られるクロゴキブリと、工場などでよく見られるチャバネゴキブリは、水をくぐれることが証明されています(三浦・田辺,2009)。成虫だけではなく、幼虫でも可能、というから驚きですよね。

なぜゴキブリが水をくぐることができるのかというと、彼らの体のつくりに秘密があります。まずひとつに、大抵のゴキブリのキチン質の体表や呼吸孔(気門)は、水をはじく構造になっているため、水の中に落ちても沈みません。ですから、肢さえ動かせば、泳いでいることになるわけです。そして、足場さえよければ,一時的にそのまま水の中をも進み、また浮かび上がることができるということです。

そして、もうひとつの秘密は呼吸にあります。ゴキブリは、体の脇にある「気門」という穴から空気を体内にとり入れていますが、気門は水が入らないようにできているのです。水の中にいる間は、気門にフタがされているようなイメージです。

気門にフタがされているだけではすぐに窒息してしまいますよね。ところが、彼らの体内には、血管のように気管が張り巡らされており、体の隅々にまで空気が届けられているため、しばらくは空気をとり入れなくとも生きられるのです。体内に酸素がある間は水の中にもぐっていられるわけです。

水をくぐるだけでなく、実は、水生のゴキブリもいるんですよ。南九州の森林に生息しているマダラゴキブリの幼虫は、浅い水中にすんでいます。といっても、急流ではなく、浅瀬や湿地帯の水たまりのような所です。成虫になると水を離れて、灌木上などでみられ、驚くと飛翔もします。

ゴキブリはおしっこはしないの?

しません。(正確には、うんちとおしっこ、という区別がないということです)

おしっことうんちのふたつの排泄口がある人間と違い、ゴキブリの排泄口はひとつしかありません。したがって、その排泄口から固形だけ、あるいはおしっこのような液体だけ出ることもあれば、液体と固形の両方が出てくることもあります。
ふんについて詳しくは⇒『これってゴキブリのふん?知っておきたい特徴と「3つの害」』

殺虫剤が効かないゴキブリがいるって本当?

本当です。

殺虫剤が効かなくなっているのは、おもに、工場や飲食店などでよく見られるチャバネゴキブリです。

チャバネゴキブリで抵抗性が発達するおもな理由は、
・屋内の限られた場所で大量増殖する
・駆除業者などによって薬剤を大量に撒かれる機会が多い
といったことが考えられます。

さらには、チャバネゴキブリは、クロゴキブリなどに比べて一定期間に重ねる世代数が多く、殺虫成分による淘汰を受ける回数が多いため、より抵抗性が発達しやすいと言えるのです。
詳しくは⇒『恐怖!殺虫剤が効かない!「スーパーゴキブリ」の正体』

ただし、一般家庭でよく見られるクロゴキブリなどでは、抵抗性は発達していないので、安心してくださいね。

ゴキブリが嫌いなアロマを撒けば寄ってこない?

匂いの成分が残っている間は寄ってきません。(撒いていない場所からの侵入はあるでしょう)

ゴキブリが嫌う匂い成分はたくさんあります。代表的な例は、
・ハッカ
・スペアミント
・ミカンの成分
・ゼラニウム
などですね。

では、これらの成分を撒けば、ゴキブリの侵入が予防できるかというと、撒いてしばらくの間は、撒いた箇所にゴキブリは寄り付きません。しかし、それらの成分自体に毒性はありませんから、成分が揮発してしまえば、ゴキブリはなんなく侵入してくるでしょう。

人間が強く匂いを感じるくらいに、常にアロマを部屋中のいたる所に撒き続けていれば別ですが、シュッシュッと部分的に撒く程度では、効果の持続は難しいと言えます。

卵鞘(らんしょう)に殺虫剤をかければ孵化しない?

いいえ、孵化します。卵鞘には殺虫剤はあまり効きません。

ゴキブリの卵は、卵鞘という殻に包まれています。一般家庭でよく見られるクロゴキブリなどの大型種の卵鞘は固く頑丈にできているため、殺虫成分が中まで浸透しないのです。

一方で、工場などでよく見られるチャバネゴキブリの卵鞘は、大型ゴキブリの卵鞘ほど頑丈ではありませんが、やはり薬剤成分は浸透しにくく、薬剤が届かなかった卵は生き残ります。
卵について詳しくは⇒『ゴキブリの卵の特徴は?産卵や孵化時期、駆除方法についてもご紹介!』

「胴体がふたつに切り離されても1週間生きられる」というのは本当?

普通の状況下ではあり得ません。

ふたつに切断されたゴキブリの体を、消毒・滅菌し、腐らないよう処置をすることで、生かせなくはないでしょう。しかしその場合でも、ぴくぴく足が動く程度の反応しかないと考えられます。

ゴキラボが実施したアンケート(対象者1000人/2018年6月実施)では、「退治して真っ二つになったゴキブリをゴミ箱に捨てようと掴もうとしたら、カサカサッと上半身が逃げた!」という声がありました。どこが真っ二つになったかにもよりますが、切断された直後であれば、まだ感覚が生きていて肢が動くこともあるでしょう。例えば、鶏は首を半分切られてもタタターッと走ることがあるのと同じです。これは、何もゴキブリに限った話ではありません。

沖縄のゴキブリは大きい?

沖縄でよく見られるワモンゴキブリ自体が大きいということだと考えられます。

クロゴキブリ
クロゴキブリ

ワモンゴキブリ
ワモンゴキブリ

沖縄では、本州で一般的なクロゴキブリやヤマトゴキブリよりも体長の大きいワモンゴキブリが一般的です。したがって、沖縄のゴキブリは大きく育つ、ということではなく、ワモンゴキブリ自体が大きいということだと考えられます。そして、ワモンゴキブリは、沖縄にいようが東京にいようが大きいのです。
ワモンゴキブリについて詳しくは⇒『ゴキブリ4種の生態|生息地・成長・行動・寿命の違いとは?』

今回は、アンケートで寄せてもらった素朴な疑問の中からピックアップしたんじゃが、「これって本当?」あるいは、「どうして〇〇なの?」とゴキブリに対して疑問に思うことがあれば、ぜひゴキラボまでご連絡くだされ!

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