北上するゴキブリ!サツマゴキブリなど生息地域が広がっている5種を紹介

投稿日: 2019/3/5

屋内に侵入するゴキブリの代表格といえば、クロゴキブリ・ヤマトゴキブリ・ワモンゴキブリ・チャバネゴキブリの4種じゃが、近年では、別の種類も確認されておる。それは、もともとは九州や四国南岸地域を中心に生息しておったゴキブリたちじゃ。今回は、生息地域の拡大が気になる5種を紹介しよう。

ピンで印が付けられた地図

北上するゴキブリたち

世界中に約4000種以上いるゴキブリの多くは、暖かな場所に生息する熱帯・亜熱帯性です。
日本の屋内で見かける主要ゴキブリ4種のうち、ワモンゴキブリは熱帯性、チャバネゴキブリが亜熱帯性です。
詳しくは⇒『ゴキブリ4種類の生態|生息地・成長速度・行動・寿命の違いとは?』

北上して生息地を拡大する熱帯・亜熱帯性のゴキブリ

日本では1900年代後半から、もともとは九州や四国南岸地域を中心に生息していた熱帯・亜熱帯性のゴキブリが、本州でもちらほらと目撃されるようになりました。彼らは、北上して生息地を拡大しているわけです。

北上するゴキブリとは一体どのような種類なのでしょうか? どのような場所が巣になるのでしょうか? 生息範囲の拡大が気になるゴキブリの種類をチェックしていきましょう。

サツマゴキブリ

サツマゴキブリ

学名 Opisthoplatia orientalis(Burmeister)
英名 Litter cockroach
体長 25~35mm
形態的な特徴 小判型で翅がなく、成虫は全体にツヤのある黒色。前胸背側に淡黄色の外縁、胸部~腹部には赤色の外縁がある。幼虫はツヤの無い灰褐色
気候適応 熱帯性
生息地域 日本(九州南部、四国、琉球列島が中心)・インド・中国・台湾・インドネシア(ジャワ島)など
生息地の特徴 森林や道端にある倒木や石などの下

サツマゴキブリは屋外に生息する野外種で、中国では現在でも薬用として利用されているゴキブリです。
詳しくは⇒『ゴキブリが薬になるって本当?薬用ゴキブリの歴史』

サツマゴキブリの日本における分布は、九州や四国南岸が北限でした。ところが近年では静岡県、千葉県、和歌山県、神奈川県、愛知県などでも生息が確認されています。

注意しておきたいのは、サツマゴキブリは野外種であるにもかかわらず、屋内に侵入する例が少なからず報告されていることです。おそらく、観葉植物などに紛れ込んで屋内に侵入したのではないかと考えられます。そのまま屋内で繁殖することもありますが、チャバネゴキブリのように、大量繁殖する種類ではありません。
チャバネゴキブリについて詳しくは⇒『ゴキブリ4種類の生態|生息地・成長速度・行動・寿命の違いとは?』

チャオビゴキブリ

チャオビゴキブリ オス

チャオビゴキブリ メス

学名 Supella longipalpa(Fabricius)
英名 brown-banded cockroach
体長 11~13mm
形態的な特徴 オスは、全体的に明るい薄茶色、細く長い翅。メスは、全体に暗めの茶色、幅広でやや短い翅
気候適応 熱帯・亜熱帯性
生息地域 日本(小笠原諸島父島が中心)・世界各地
生息地の特徴 非森林地域の屋外、屋内

世界的な害虫として知られるチャオビゴキブリ。日本では小笠原諸島父島だけに分布していましたが、近年は、福岡や沖縄諸島、東京都内の屋内で目撃されています(komatus,2015)。

チャオビゴキブリは屋内で活発に飛翔するので、今後分布が拡大すれば注意が必要です。

アメリカのマイアミでは、寝室や居間をぶんぶんと飛び回る厄介な害虫として認識されている
アメリカのマイアミでは、寝室や居間をぶんぶんと飛び回る厄介な害虫として認識されている

チャオビゴキブリとチャバネゴキブリ。名前は似ているけれども、生態はずいぶんと違うのお。今のところ、チャオビゴキブリの分布拡大は、東京都以外にはほとんど見られておらず、住宅への侵入はそこまで心配しなくてもいいじゃろう。

チュウトウゴキブリ(トルキスタンゴキブリ)

チュウトウゴキブリ(トルキスタンゴキブリ) オス

チュウトウゴキブリ(トルキスタンゴキブリ) メス

学名 Blatta lateralis(Walker)
英名 Turkestan coclroach
体長 19~26mm
形態的な特徴 オスとメスとでは形態も色彩も大きく異なる。オスはクロゴキブリをやや小型にして薄茶色にした形態。メスは黒褐色で翅が短く腹部や後ろ胸の背面が露出している
気候適応 熱帯・亜熱帯性
生息地域 日本(近畿地方など)・東北アフリカ・中央アジア・アメリカなど
生息地の特徴 屋外、屋内

チュウトウゴキブリは、約30年以上前から日本で見られるようになりました。これまでに、近畿地方の港湾周辺(木村ら,2003)や愛知県の倉庫(角野ら,2006)などでの目撃が報告されています。
今後、チュウトウゴキブリが各地で発見される可能性はあります。しかし寒さに弱いため、生息エリアは、暖かな環境が一年中保たれる場所に限定されると考えられます。

滑面を上れず繁殖が容易なため、ペットの餌または飼育用として「レッドローチ」の名で販売されてもいます。
また、チュウトウゴキブリは昆虫食の食材にもなり、人が食べることも可能です。
昆虫食イベントについては⇒『【閲覧注意】食用ゴキブリを調理して食べる!昆虫食イベントに参加してきました!』

トビイロゴキブリ

トビイロゴキブリ

学名 Periplaneta brunnea (Burmeister)
英名 browan cockroach
体長 25~30mm
形態的な特徴 ワモンゴキブリに似た大型種。ワモンゴキブリよりも、前胸背の斑紋が明白ではなく、尾肢が太め
気候適応 熱帯・亜熱帯性
生息地域 日本(全国に散発的に分布)・世界の熱帯・亜熱帯地域
生息地の特徴 屋外、屋内

チャオビゴキブリ同様に、世界的な害虫種です。日本では地下街や飲食店、マンホールの中といった一年中暖かく湿度の高いエリアで生息が確認されています。中でも、大阪の地下街には多数が定着しており、その捕獲数は、飲食店や工場で大量繁殖するチャバネゴキブリと同程度だといわれています(Imai,2011)。

ちなみに、トビイロゴキブリとチャバネゴキブリは、同じ地下街にはいるもののエリアを棲み分ける傾向があります(Imai,2011)。トビイロゴキブリは、より高温で湿度の高い場所を好みます。

オガサワラゴキブリ

オガサワラゴキブリ

学名 Pycnoscelus surinamensis(Linnaeus)
英名 Surinam cockroach
体長 12~18mm
形態的な特徴 肢が短くずんぐりしている。翅は黄褐色、前胸背はツヤのある黒褐色で、前胸背の前縁に黄色の縁取りがある
気候適応 熱帯・亜熱帯性
生息地域 日本(小笠原諸島・南西諸島のほか、本州の温室中心)・世界の熱帯・亜熱帯の平地
生息地の特徴 基本的には屋外

屋外性のオガサワラゴキブリは、森の土壌表面や落ち葉の中に生息していますが、日本では、温室や植木鉢の中で見られます。一般住宅への侵入は、観葉植物の鉢によって持ち込まれた例があります。

温室ではコワモンゴキブリ(ワモンゴキブリに似ているやや小型の種類)もよく見られます。同じ温室内にいても、オガサワラゴキブリはおもに地上や腐植土中で活動し、コワモンゴキブリは夜間に植物の若葉などを食べる傾向があります。

ゴキブリが北上する理由

国内の限られた地域に生息していたゴキブリが北上するおもな理由は、「地球温暖化」「施設や住宅環境の温暖化」です。

今回挙げた5種のように、屋内に侵入する場合は、後者の「施設や住宅環境の温暖化」、つまり、地下街や屋内の空調管理が改善した影響が大きいといえます。年中暖かな場所が増えたことは、私たち人間だけでなく、ゴキブリにも快適さをもたらしたわけですね。

今後温暖化が進めば、ゴキブリたちの生息地域はさらに広がる可能性があります。
ただし、平均気温が2、3度上昇したり、暖房を年中つけっぱなしする生活スタイルになったりしない限りは、一般住宅への影響はそこまで心配する必要はないでしょう。注意が必要だとすれば、地下街や工場、飲食店などの一年中暖かな施設です。

まとめ

今回は、近年生息地域が広がったゴキブリ5種について見てきました。

  • サツマゴキブリ
  • チャオビゴキブリ
  • チュウトウゴキブリ(トルキスタンゴキブリ)
  • トビイロゴキブリ
  • オガサワラゴキブリ

現在のところはどのゴキブリも、一般住宅への侵入はそこまで心配しなくても大丈夫です。地下街や工場、飲食店などの一年中暖かな施設は注意が必要かもしれません。

いずれにしても、これらのゴキブリは、ベイト剤やスプレー式駆除剤などの市販の対策アイテムで駆除することができます。もし見かけたとしても慌てずに対応してくださいね。

対策アイテムについて詳しくは⇒
『「ベイト剤」の効果的な設置場所・時期とゴキブリを寄せ付けない4つのポイント』
『ゴキブリを見ないで駆除できる!ベイト剤・捕獲器・くん煙剤・忌避剤の効果』
『ゴキブリ退治の基本!スプレー式駆除剤の成分・効果と安全性をチェック!』

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